ミャンマー 調達代理契約締結からわずか8ヶ月で校舎が再建

2016年11月15日

再建されたエヤドー高校の教室棟外観と教室内部
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 ミャンマーでは、2015年7月、降り続いた大雨により、甚大な洪水被害が発生しました。エーヤワディ川を含めた河川の氾濫により、12の州と地域で約162万人が被災し、4,116校(ミャンマー政府の報告による)の学校施設が深刻な浸水被害に見舞われました。

 ミャンマー政府は日本政府に対して、校舎再建・修復などの支援要請を行い、日本政府は、支援のひとつとして、ザガイン地域、マグウェイ地域、バゴー地域、エーヤワディ地域を中心とする約80校の学校の再建を目的とした無償資金協力「洪水被災学校再建計画」の実施を決定しました。これに伴い、ミャンマー政府の代理として案件実施や資金の管理を行う調達代理機関の公募が実施され、JICSが選定されました。JICSは、子どもたちが簡易なプレハブ教室や青空教室で学んでいるなどの劣悪な教育環境を早急に改善すべく、迅速性を重視した再建に努めています。

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式典参加者

 このたび、調査を経て、教育省との調達代理契約からわずか8ヶ月間というスピードで設計、入札、工事が実施され、第1校目の校舎の再建が完了しました。2016年11月9日、マグウェイ地域のパコク郡区にあるエヤドー高校※1(分校)に、先生、生徒、コミュニティーの方々、政府関係者、計300名が集まり、引渡式が盛大に開催されました。

 引渡し式準備のため、学校関係者、施工会社、JICSに加え、学校の生徒たちが清掃し、当日は日本、ミャンマーの国旗を振って、歓迎してくれました。

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式典準備で清掃中の生徒たち
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日本とミャンマーの国旗を手にした子供たち

 式典では、キン・マウン・エイ マグウェイ地域政府・社会福祉大臣、松尾秀明在ミャンマー日本国大使館参事官からの祝辞があり、松尾参事官より引き渡し関連書類がゾウ・ウィン教育省副局長に手渡されました。

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テープカット。左よりゾウ・ウィン副局長、
キン・マウン・エイ マグウェイ大臣、松尾秀明参事官
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松尾秀明参事官の祝辞

 再建工事のテーマは、子供たちの置かれている劣悪な教育環境を早急に改善する必要があることから、シンプルな設計の施設をより早くつくることです。ただし、単にスピードを優先するのではなく、「より良い再建(Build Back Better)※2」の視点を取り入れ、被災前よりも床高をあげる、躯体※3を頑強にするなど、将来の災害に耐えうる施設を建設しています。これに対し、学校側から、より長く使用できる校舎となり大変感謝している旨謝辞がありました。

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校舎の前で記念撮影
前列右端よりJICSのJoel Pangilinan、瀧野 雅文、プロジェクト課長の篠田 大樹

 本年も、マグウェイ地域では、7月末に洪水が発生し、工事中断を余儀なくされましたが、年内に5校、2017年3月までに計9校を完工させ、調達代理契約から2年以内に、約80校の再建を目指しています。

 このプロジェクトの過去の記事はこちらから

※1 ミャンマーの高校(High school)は、小学校から高校生まで計11学年が同じ学校に通っています。

※2 より良い再建・復興(Build Back Better): 単に災害前の状態に戻るのではなく、災害前よりも強い社会を作ることを目指す考え方

※3 躯体:建物の骨組みや構造体。基礎・柱・梁(はり)・壁・床など。

プロジェクト基礎情報

供与(E/N)額 12.00億円
交換公文(E/N)署名日 2016年2月17日
調達代理契約(A/A)締結日 2016年3月8日
契約相手(調達代理契約) ミャンマー教育省
プロジェクト概要 2015年7月中旬から発生した洪水により被害を受けた学校のうち、ザガイン地域、マグウェイ地域、バゴー地域及びエーヤワディ地域を中心とした約80校の校舎を再建。
JICSの役割 教育省の調達代理機関として、施工会社と契約を締結し、資金管理、工事監理を含むプロジェクト全体の監理を行う。
調達品目 学校建設、教育用家具調達 (施工会社)
プロジェクトの主な流れ/現状 2016年4-5月: 施工会社契約締結(第1バッチ11校)
2016年5月:マグウェイ地域にて着工
2016年11月: 1校で引渡し式を開催
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