2007年7月4日
2007年5月12日から6月3日まで、イラク通信省の技術者8名が日本を訪れ、イラク国内の南北1000キロに渡る基幹通信網を既存のアナログ方式からデジタル方式に切り替えるために必要な通信機器の活用、およびメンテナンスのトレーニングが行われました。
日本政府とイラク通信省により2004年10月13日に決定された緊急無償資金協力により、イラク全土に及ぶ29ヶ所の無線局に必要な通信機器の整備が行われることになっており、JICSはこの案件の中で、イラク通信省との調達監理契約に基づき、入札、資金管理等の案件の実施監理を担当しています。機材はイラク国内に到着し、組み立てられた後、イラク国内の無線局29ヶ所に輸送、設置されることにとなっています。
トレーニングは、機器の製造元である富士通株式会社および日本電気株式会社(NEC)において行われました。参加した8名のイラク人技術者は、イラク北部モスル、首都バグダッド、そして南部のバスラ市などの主要基地局から派遣された、選りすぐりの技術者で、機材供与後のプロジェクトを支える中心的な人材です。2週間という限られた時間の中で、できる限り多くの技術や知識を吸収しようと、8名全員が真剣な取り組み姿勢でトレーニングを受けました。
イラク国内の治安は今なお不安定な状況であり、技術者によると、首都バグダッドでは爆破事件や銃撃戦も頻発し、日々の通勤さえもままならないとのことですが、日本の支援に応え、イラクの復興に役立とうとするその目は真剣そのものでした。
JICSはこういった人々のためにも今後もイラクの復興に向け、プロジェクトのスムーズな実施をサポートしていきます。
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