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イラクでは、旧政権下の圧制やイランとの戦争による経済的疲弊、湾岸戦争後の経済制裁等の理由から基礎的インフラの整備が立ち遅れており、特に1991年の湾岸戦争以降、医療機関の医療水準が大きく低下しています。多くの医療機関で患者に対して正確な診断、適切な医療を行なうことができず、ここ数年で妊婦死亡率、乳児死亡率といった保健指数が大きく悪化しており、これら指標は近隣諸国や他の中東諸国と比較して高い状況にあります。このような適切な医療サービスの提供が困難となっている原因の一つとしては、医療機材の不足が挙げられています。
このような背景の中、日本国政府は2005年1月13日、同国内で特に基礎的インフラの整備が立ち遅れている地域の一つであるムサンナ県との間で基礎医療機材を整備する「ムサンナ県プライマリーヘルスセンター(PHC)整備計画」を実施することを決定しました。日本の陸上自衛隊が復興支援活動を行なっているムサンナ県で行なった保健所の修復・再建活動を補完するこの計画の実施によって、今後の同県における保健衛生活動の向上が期待されています。
JICSではムサンナ県保健局との契約に基づき、必要とされるエックス線機器や歯科医療機具等の基礎医療機材の調達・輸送を実施し、2005年10月24日、保健所32箇所への機材の輸送が完了しました。輸送はイラクの治安状況等を確認しつつ実施され、納入業者をはじめ、輸送会社、警備会社等との連携により、迅速かつ確実に実施することができました。 |
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耳科・眼科用検鏡等をリストと照合するJICS職員(日本での船積前の検査にて) |
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機材を積んだコンテナが到着し、内容を確認するAl Antessar保健所の関係者 |
プロジェクト名
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イラク共和国 ムサンナ県プライマリーヘルスセンター(PHC)整備計画<平成16年度緊急無償>
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政府間決定日
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2005年1月13日
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供与(EN)額
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8.66億円
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調達監理契約
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2005年1月13日、イラクムサンナ県保健局と調達監理契約(調達代理方式)を締結
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納品完了
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2005年10月
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プロジェクト内容
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ムサンナ県における保健衛生活動の向上改善のため、32箇所の保健所(プライマリーヘルスセンター、PHC)に対し基礎医療機材を調達
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JICSの役割
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本プロジェクトの調達監理機関として、本プロジェクトの進捗管理(入札開催、業者契約、納入管理など含む)および資金管理を実施
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調達品目
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エックス線機器、歯科医療機具等の基礎医療機材
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