2008年7月25日
JICSがASEAN事務局との契約に基づき調達などを実施している新型インフルエンザ対策プロジェクトに関して、2008年6月26日、27日にタイのバンコクにおいてワークショップが、また、7月9日、10日にはベトナムへの緊急輸送のアセスメント(評価・検証)が実施されました。
ワークショップで抗インフルエンザ薬(リレンザ)の使用方法を説明するJICS菅原プログラムマネージャー
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バンコク(タイ)において開催されたワークショップには、ASEAN事務局、ASEAN加盟国の保健省関係者(ミャンマーは欠席)、WHO西太平洋地域事務局、WHO南東アジア地域事務局に加え、オブザーバーとしてJICS、国連インフルエンザ調整システム(UNSIC)、オーストラリアの海外援助実施機関であるAusAID も出席し、参加者は総勢約30名にのぼりました。
今回のワークショップは、鳥インフルエンザの人-人感染が確認された際の各関係者の対応について、具体的な手順を理解・習熟することを目的として開催されたものです。人-人感染はいつどこで発生するかわかりません。もし人-人感染が確認された場合、それぞれがどのタイミングで、どのような行動をとるべきか、といった行動方針や具体的な手順などをこのワークショップで確認することにより、各組織の役割と責任を再確認する有益な機会となりました。
ワークショップ会場 ワークショップには約30名もの参加者がありました |
ワークショップ後にも活発な意見交換を行いました(左からWHO西太平洋地域事務局、ASEAN事務局、JICS関係者) |
人-人感染が発生した際には、抗インフルエンザ薬などの備蓄物資を緊急輸送することとなっています。そこで、ベトナムでは、同国で感染が発生したとの想定のもと、ベトナム保健省および関係機関の備蓄品受け入れに関する手続きと、保健省の倉庫までの輸送を実際の流れに沿って問題がないか評価、検証する「アセスメント」を実施しました。
具体的には、7月9日にベトナム国保健省を初めとする関係者にWHO西太平洋地域事務局から手順の説明を行い、翌10日にシンガポールの備蓄倉庫からベトナム・ハノイの空港にタミフルを輸送しました。当初目標としていた同日中の通関はできませんでしたが、今回の結果をもとに、迅速な輸送を実現するためのさらなる検討を行うとともに、これらの情報をASEAN域内の各国で共有して役立てていく予定です。
新型インフルエンザの封じ込めを可能とするため、今後もJICSは関係機関との緊密な情報交換を行い、より迅速な封じ込めのための行動に備えていきます。
WHO西太平洋地域事務局によるアセスメントにかかる事前説明(ベトナム保健省、倉庫会社、WHOコンサルタント、WHOベトナム事務所、JICS等が出席) |
シンガポールから商業機で到着した抗インフルエンザ薬(タミフル) |
積み荷(タミフル)をすぐに空港敷地内の保冷倉庫へ移動するためカートへ載せる |
通関手続きについて関係者に質問するWHOオフィサー |