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開発援助でライフ・チャンスのジェンダー平等化を
目黒 依子(上智大学総合人間科学部教授/JICS評議員会副会長(2005年10月当時))

 開発援助についての考え方の軸が、国単位の経済開発から人権ベースの人間開発に移行してすでに15年が経つ。その間、国連開発計画は人間開発指数(HDI)、ジェンダー開発指数(GDI)、ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)などの指数を用いて開発の進捗実態を分析し、さらなる開発の方向性を確認してきた。GNPやGDPが同じ国でも教育や保健医療、人間らしい生活を測るHDIは異なること、また、同じHDIの国でもジェンダー不平等に焦点を当てたGDIやGEMは異なることが明らかにされた。

 2000年に開催されたミレニアム・サミットで採択された2015年を達成期限とするミレニアム開発目標(MDGs)は、グローバル化が進む国際社会の連帯課題となり、2005年9月にこのレビューが行われる。8つのMDGsの1つに「ジェンダー平等の推進と女性の地位向上」があるが、すべての目標達成にジェンダー視点が欠かせないことが、共通認識となっている。開発をジェンダー視点でとらえることが不可欠だという認識は1980年代から強まっているが、人間開発への注目や人間の安全保障という概念の導入は、この流れをさらに強めてきたといえる。

 この15年という時期に、われわれは紛争の終結や新たな紛争の動きをみた。通常の生活を破壊する紛争の終結は新しい社会生活の構築の始まりであるが、緊急支援、復旧、復興、再構築などの枠組みにジェンダー視点が欠けていることが、紛争時のみならずその後における二次被害を女性や女児に強いることになることが明らかにされてきた。

 紛争後約10年を経て、外部からの急激な影響を受けつつ「開発」が進んだカンボジアを対象に、私はこれまで関わってきたライフコース研究の成果を用いて、紛争が個人の人生に及ぼす影響のジェンダー分析を行っている。紛争によるライフ・チャンスの剥奪や外部からの支援の構造がジェンダー化されていることが、多大の犠牲を払った後に来る人間開発の平等化の妨げになることを十分認識することが、新しい社会構築の成功につながるとの実感を得ている。

(「JICS REPORT」2005年10月号掲載文より)

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