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支援の最前線に立つJICSマンの気概に感服
杉下 恒夫(茨城大学人文学部教授/JICA客員国際協力専門員(2007年9月当時))

 旧支配勢力タリバンの復活で、最近のアフガニスタン情勢は、6年前に逆戻りした観もある。私が国際会議に出席するため、今年3月下旬にカブールを訪れた際も、会議場に向ってホテルを出発した直後、近くで6人が犠牲となる自爆テロが発生、首都の中心部でもテロと背中合わせにあることを実感した。

 このときの出張のもう一つの目的は、日本のアフガニスタンの復興支援状況を見ることだった。プロジェクトの現場に足を運び、日本の復興支援を自分の目で確かめたかったのだが、前述のような治安状況では、カブール市内の国営放送施設整備事業などを見るのがやっと、市外の現場に行くことはかなわなかった。そのため、タリバンが跋扈する南部のカンダハル・グリシク間の幹線道路の整備事業を手がけている、JICSのカブール事務所で、貝塚英雄事務所長や日本の請負業者の代表の方たちに話を聞かせていただいた。業者の代表は、その時は治安悪化のためカブールに引き揚げていたが、直前まで、タリバンとNATO/ISAF(国際治安支援部隊)が戦闘を繰り返すカンダハルに踏みとどまって仕事を続けていただけに、話に迫真性があり、きわめて役に立つものだった。

 JICSは、ODA事業の末端までチェックするという業務内容から、日本の開発協力のなかで、最も現場に近いところにいる組織の一つだ。アフガニスタンのように治安に問題のある地域においては、現場に近いということはそれだけ危険度も高い。だが取材中、事務所内には、あまり切迫した雰囲気が感じられず、不思議だった。その後、雑談の中で所長が、「タリバンの迫撃砲は精度が悪いからどこに飛んでくるかわからない。気にしていたら、仕事をやっていけないので、考えないことにしています」と冗談交じりに言うのを聞き、平静を装ってはいるが、彼らも強い不安の中にいることを知った。

 それでも、JICSスタッフを仕事に突き進ませる動機は何なのか。紛争地の復興支援の最前線に立つ日本人としての責任感以外には、考えられない。われわれはこうした同胞がいることを誇りに思うと同時に、彼らのことをもっと理解して、支援すべきだと痛感する。

(「JICS REPORT」2007年9月号掲載文より)

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