オピニオン
モルドバの全村に知れ渡った貧困農民支援プロジェクト
−モルドバ共和国:貧困農民支援(2KR)−

ヴァシル・ブマコフ 【モルドバ共和国農業食品産業大臣(2014年8月当時)】

モルドバの地図
(写真)
ヴァシル・ブマコフ
農業食品産業大臣

農業は地域の未来を担う財産

 農業はモルドバ共和国の経済において非常に重要な分野の一つです。農業は単に食料を産み出す産業というだけでなく、公共財・文化・伝統・価値観・天然資源といったものの根源、言い換えれば、我々が住む地域の未来への財産となるものです。

 農業において成果を上げるためには、優れた技術や農業の近代化、資金を得られる手段、ノウハウや資源が欠かせません。日本政府は2000年に先導的な農業プロジェクト(食糧増産援助。現在は貧困農民支援[2KR])をわが国において実施。そのプロジェクトは、わが国の農業分野における技術レベルの向上に大いに貢献しました。

 その後、10年以上にわたって、わが国は日本政府から貧困農民支援に係る無償資金協力の供与を受け、不利な環境におかれた農業生産者へ、供与資金で農業機械の調達を行いました。透明性および効率性が保たれたプロジェクトの実施を通して、日本政府とモルドバ共和国政府の間には信頼が醸成され、その結果、日本政府から供与された無償資金協力は延べ 20百万USドル(約 20 億円)となりました。

プロジェクトの継続的な拡大で新しい農業技術を獲得

 プロジェクトの実施時期において、貧困農民支援プロジェクトはわが国の農業機械の供給活動のうち、最も重要なものの一つとなり、農業生産者との契約数は3,000以上に及びました。JICSとProject Implementation Unit(PIU:モルドバ政府の実施機関担当部局)は信頼性のある、効率的なプロジェクト遂行を行い、両国政府、エンドユーザー、生産者組合と信頼関係を確立しました。

 特筆すべきは、プロジェクト期間を通じて、貧困農民支援プロジェクトの受益者が著しく増加し、同プロジェクトはモルドバのすべての村において知られるものとなったことです。また、日本の援助による見返り資金や、見返り資金により生み出されたリボルビングファンド(回転資金)によりプロジェクトが継続的に拡大し、革新的手法の導入が可能となり、農業生産者 が近代的な農業技術を得る、新たな可能性を開いてくれました。

農業分野で持続可能な成長を実現

 最も重要なのは、貧困農民支援プロジェクトによって得られた付加価値です。農村では雇用が創出され、技術が移転され、新たな事業が開拓されて、農業分野において持続可能な成長を達成できました。貧困農民支援プロジェクトが滞りなく、信頼性をもって実施されたことは農業生産者に農業へのさらなる投資を促し、事業を拡大し、新たな試みを始める一助となったものと考えます。

 この場をお借りして、日本政府からモルドバ共和国政府に供与された、すべての援助に感謝します。モルドバ経済の大きな構造変化により農業は大きな試練に直面しており、この試練を乗り越えるために、日本の援助は欠かせないものとなっています。

 結びに、我々は日本との協力関係や、わが国の経済成長の支援のために向けられる、さらなる開発プロジェクト推進のために努力していきます。今後、一層の先導的な協力関係を築くとともに、素晴らしい開発プロジェクトの実施を切に願うものです。

(「日本国際協力システム年報2013」掲載文)

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