独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施している円借款事業では、借入国(被援助国)がプロジェクト実施に必要なコンサルタント及び施工業者の選定・契約手続きを適正に実施しているかを確認するため、第三者による「調達事後監査業務」を毎年実施しています。
このたび、JICSは新規業務の開拓に向け、一次チェック業務でこれまで蓄積した調達手続きのノウハウを、より一層ODA事業に役立てるため、「調達事後監査業務」のプロポーザル競争に参加し、本件業務を受託しました。
平成23年度の調達事後監査は、STEP(本邦技術活用条件)案件と契約金額の大きい大規模契約を中心に、平成22年度に締結したコンサルタント契約及び本体契約全41件を対象に実施されます。このうち5件5カ国(インドネシア、マレーシア、ベトナム、パキスタン、トルコ)については、借入国に赴き、先方実施機関に対して監査を実施します。監査業務は2011年10月上旬より2012年1月下旬まで行い、2012年2月中旬までに最終報告書を提出する予定です。
JICSでは初めての監査業務になりますが、円借款事業で過去7年にわたり調達関連書類の一次チェック業務で培った知識は本件業務にそのまま活用できるものであり、JICSのノウハウを大いに活用できる業務であると言えます。
インドネシア公共事業省での監査の様子 |
インドネシア公共事業省での監査報告 |
調達事後監査業務とは
円借款事業では、援助資金の適正な使用のため、借款契約やJICA調達ガイドライン等に従い調達手続きを実施することを借入国(被援助国)に求めています。調達事後監査業務とは、これら両国間の取り決めどおり調達手続きが実施されたかを確認するものです。
1989年に本監査業務が本体契約にはじめて導入されて以来、対象は拡大し、現在では、コンサルタント契約も対象となっています。本監査業務は適正な調達を担保するうえで重要な役割を担っています。