2007年3月23日
平成19年1月、JICSは外務省との日本NGO支援無償資金協力案件調査契約に基づき、マレーシア国サラワク州僻地救急救命支援画像通信システム案件の現況調査を実施しました。同プロジェクトは、平成15年度に特定非営利活動法人BHNテレコム支援協議会(東京都新宿区)が我が国の無償資金協力を得て、サラワク州北部の3病院(ミリ病院、マルディ病院及びリンバン病院)と同州都クチンにあるサラワク総合病院との間に、インターネットを利用した患者情報の電送システムを構築したものです。
今回の調査では、システムを利用しX線画像、患部の画像などの患者情報を送信する側の北部3病院と、患者情報を受け専門医の所見を踏まえ処置などについて助言する側のサラワク総合病院において、機器の現況、利用の実績、システムの運用に関わる医師やオペレーターなどの体制の確認を行いました。その結果、システム全般が有効に活用され、僻地住民に対する医療サービスの向上に大いに役立っていることが確認されました。また、調査団からの指摘を踏まえ、ブロードバンドへの移行、ウイルス対策や維持管理の強化など、システムを継続的に活用していくために必要な措置を各病院が連携し自ら講じていくこととなりました。
今年度JICSは、本件を含め9カ国18件のNGO支援無償プロジェクトの現地調査を計画しています(うち7カ国11プロジェクトについては実施済)。サイトの踏査、裨益者へのヒアリング等を通じてその成果を適切に確認し、事業の発展や新規プロジェクトの実施に役立つ提案を行っていきたいと考えています。
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