2005年10月にグアテマラ共和国で発生した大型の熱帯低気圧スタン(STAN)による被害に対する復興支援として、日本政府は防災・災害復興支援無償資金協力の第一号案件となる「熱帯低気圧スタン災害復興支援計画」を実施しました。
本案件は、灌漑施設、橋梁、上水道施設の再建を行うプロジェクトで、JICSはグアテマラ国政府の調達代理機関として、施工会社選定のための国際競争入札、契約締結、進捗監理、さらにはプロジェクトの資金管理業務を実施してきました。
施工工事契約の瑕疵担保期間が2009年2月に満了となり、案件が完全に終了したため、JICSは2009年11月、このプロジェクトにおける調達業務のプロセスを自己評価することを目的として平木評議員を団長とする調査団を現地へ派遣しました。
今回の調査では、再建された各施設を視察するとともに、それぞれの実施機関である農牧省灌漑局、水利組合、通信・インフラ・住宅省道路局、ケツァルテナンゴ市水道公社及びケツァルテナンゴ市長と面会し意見交換を行いました。また、施工会社にもインタビューを実施し、本案件におけるJICSの業務の進め方について聞き取りを行いました。
施工会社からは、JICSによる入札時の厳正なる審査、きめ細かい施工監理、正確な支払いについて様々な発言がありました。中でも、上水道再建工事を担当した施工会社からは、「実は、橋梁再建プロジェクトの入札にも参加したが、入札条件を満たしておらず失格となった。しかし、JICSの公正かつ透明、さらに毅然とした入札プロセスを見て、こういう相手となら、ぜひ仕事がしたいと思い、上水道プロジェクトの入札にも参加した」という言葉をいただきました。
JICSの入札プロセスにおいては、適正性を確保するため国際的なルールに則った様々な手続きが必要となります。国際的なルールに不慣れな現地側には「厳しすぎる」という印象を持たれることもありますが、今回このような言葉をいただいたことは、私たちのやり方がきちんと理解されている証左であると考えられ、今後のJICSの調達業務の実施にあたり、引き続き堅持していかなければならないとの思いを新たにしました。
また今回、ケツァルテナンゴ市長より、ケツァルテナンゴ市の上水道関連施設に関する一連の日本の援助に対する感謝の意を表するため、市内に「日本プラザ」という公園を建設したとの説明を受けました。JICS調査団がその公園を訪れたところ、その公園の銘板に本案件に携わったJICS職員の名前も刻まれていました。これは調査団にとって思わぬサプライズとなりましたが、その責任の重さを再認識する機会ともなりました。
今回の調査で得られた興味深いお話や貴重な知見を基に、今後もより一層適正かつ効率的な調達業務の実施に取り組んでいきたいと考えています。
かんがい施設の銘板を囲んで |
かんがい施設の視察 |
日本プラザ |
在グアテマラ日本大使館にて鈴木大使と |
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