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財団法人日本国際協力システム 理事長 佐々木 高久
理事長 佐々木 高久

 財団法人日本国際協力システム(JICS)は、我が国の経済協力分野のうち、二国間贈与事業の適正かつ効率的な実施に協力することを目的として、1989年4月に外務大臣の許可を得て設立されました。その後、借款事業及び我が国の政府開発援助(ODA)事業以外の国際協力事業全般に協力対象を拡げ、順調に発展してまいりましたが、このたび2009年4月12日をもって設立20周年を迎えることができました。この間、外務省、国際協力機構をはじめとする多くの政府関係機関、ODAにかかわりのある業界各位のご支援、ご協力をいただきましたところ、この機会に関係者の皆様に改めて深く感謝申し上げる次第です。

 この20年間で、世界の情勢は激変し、我が国ODAをとりまく環境も大きく変わりました。日本政府のODA予算は1997年をピークに年々減少しており、近年は現地のニーズにより柔軟に対応した効率的・効果的な支援が強く求められるようになりました。従来JICSは、資機材の調達に軸足を置いた業務が中心でしたが、2002年、アフガニスタンの復興支援の中で初めて施設建設に関わる業務を受託し、この経験が後のイラク復興支援、インド洋津波災害復興支援の中で十二分に活かされ、所期の目的達成につなげることができたと考えています。現在では、JICSは、相手国政府の調達代理人として、現地のニーズを汲み上げ、関係機関と調整をし、資金を管理し、資機材や役務を調達し、そしてそれらを相手国に安全に届ける、また、施設建設に関わる工程を監理するという、一貫してプロジェクト全体を総合的にマネジメントする業務を行うようになりました。

 また、JICSは、2006年には鳥インフルエンザ対策支援において国際機関からの事業を受託し、2007年にはアメリカ政府の無償資金協力の枠組みのひとつであるミレニアム・チャレンジ・アカウントからの事業を受託する等、日本政府以外のドナーからの援助案件受託にも積極的に挑戦しています。JICSはこれからも関係者の皆様方のご支援を賜りながら、日本のODAはもとより、世界の援助機関からの事業受託を目指し一層努力するとともに、今まで培ってきた経験・ノウハウを活かして国際的な調達マネジメント機関へと成長していくべく努力していきたいと考えています。

2009年4月

財団法人日本国際協力システム
理事長 佐々木 高久

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