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イラクでは電力供給の改善が喫緊の課題となっています。日本のイラク復興支援の重点地域であるサマーワ市を含むムサンナー県でも、200メガワットの電力需要があるにもかかわらず、2004年当時、県内には発電所がなく他県からの電力供給に依存していました。しかし、県外から供給される電力は1日当たり40〜50メガワットに過ぎず、日に10〜14時間の停電が恒常的に発生していました。このような状況を受け、イラク電力省は日本政府に対して、サマーワの製油所から生産される重油を燃料として、60メガワットを出力するディーゼル発電所をムサンナー県の内に建設するための支援を要請してきました。
日本政府は、ムサンナー県の厳しい電力事情を踏まえて、総額で約127億円の緊急無償資金協力を2005年7月に決定しました。 |
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- 総出力60メガワット(ディーゼルエンジン15メガワット×4基、エンジンタイプ:4ストローク、燃料:重油)の発電所の建設
- 既設サマーワ製油所から発電所までの燃料パイプライン(約6.5km)の布設
- 発電所の運転・保守のための初期トレーニングの実施
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この発電所が建設されたことにより、主にムサンナー県の一般家庭のうち約2万世帯(人口約10〜12万人)に対する安定した配電が可能となり、生活環境が改善されました。 |
発電建屋
(2008年5月) |
燃料タンクヤードからの発電所全景
(2008年5月) |
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