アフリカ大陸南部に位置するボツワナは、ダイヤモンドや銅、ニッケルなどの鉱物資源が豊富ですが、電力の国内供給の75%以上を近隣諸国からの輸入で賄っているため、エネルギー自給率を上げることが緊急の課題となっています。また同国ではエネルギー供給能力の向上だけでなく温室効果ガスの排出削減と経済成長の両立を目指し、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入について積極的に推進しています。
日本政府は2008年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD W)等において、アフリカ諸国の気候変動対策における取組への協力強化を表明しており、2010年2月4日に「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する書簡の交換がボツワナ政府との間で行われました。
本プロジェクトでは、首都ハボロネ近郊のパカラネ変電所に隣接する土地に太陽光パネルを設置し、同変電所と太陽光発電システムの系統連系(太陽光発電等の発電設備を電力公社の送電または配電線に接続し、運用すること)を行いますが、JICSはボツワナ政府と調達代理契約を締結し、本プロジェクトの実施機関であるボツワナ国電力公社に代わり、1.3MWの太陽光発電システムに必要な機材の調達や資金管理を含む案件全体の監理を行っています。
2010年6月と11月に行われた現地調査の結果を踏まえ、2011年3月に入札会を開催、同年8月末から施工段階に入りました。2012年6月の完工に向け、現在、ボツワナ側・日本側の案件関係者が一体となって努力しています。
2011年11月9日、在京ボツワナ大使館にて、来日中のケディキルウェ・ボツワナ鉱物・エネルギー・水資源大臣の希望により、同大臣と仲谷理事長の会談が実現しました。
会談の際、大臣からは、
「本プロジェクトの実現に向け、日本側関係機関にご尽力頂いていると承知しており、この場を借りて感謝申し上げる。ボツワナにとって電力不足の解消とCO2削減に向けたクリーンエネルギーの導入はどちらも重要な課題であり、日本による本太陽光発電プロジェクトの実施は誠に有り難い。一方、本プロジェクトはボツワナ初の大型系統連系プロジェクトであり、今後太陽光事業を積極的に推進するボツワナにとって、パイロット事業である本件で失敗することは許されない。ぜひとも成功裏に案件を進めて頂きたい。」
と感謝と激励のお言葉をいただきました。