2009年11月30日
バクダットでの引渡し式
港に到着後、コンテナから救急車を出して
倉庫に移す
港の倉庫内。調達された救急車 |
日本は2003年よりイラクの復興と新たな国づくりに向けたさまざまな支援を行っています。
JICSは、その中でも日本がイラクに対して直接行う無償資金協力プロジェクト21案件に関して、イラク政府の調達代理機関として入札による納入業者の選定、契約締結手続き、納入管理などを含む進捗管理および資金管理などを担当してきました。
当初計画されていた機材調達や建設・改修工事はすべて完了し、現在は各プロジェクトの残余金による追加調達や追加工事を行っています。
今般、残余金により追加調達した高規格救急車50台を含む合計312台の救急車が2009年9月にイラクに到着したことを受け、10月29日、バグダットで同機材の引渡し式が開催されました。治安上の制限からこれまでJICSスタッフがイラク入りすることはありませんでしたが、今回の救急車の納品をもって追加調達分を含めた機材案件が完了を迎えたことから、JICSからも大島事務局長と工藤プログラムマネージャーがイラクで開催された引き渡し式に出席するとともに、本プロジェクトの相手国実施機関であるイラク国保健省に対して直接これまでの協力に謝意を伝えました。
引渡し式当日は、予定されていた会場が停電となり、急遽、会場と開始時間が変更されるハプニングもありましたが、イラク側からは保健省アメール・アル・クザイ上級副大臣や主だった首相アドバイザー4名が出席するなど、日本の援助への関心の高さがうかがえました。
今回イラクに到着した救急車は2005年1月に決定された「イラク救急車整備計画」の残余金により購入した追加調達分で、すでに納入されていた救急車700台と同様、保健省を通して全国の病院に配備され、傷病者の緊急移送に使用される予定です。
引渡し式では、アメール・アル・クザイ上級副大臣から、保健分野への日本の援助および今回の救急車供与に対する謝意が表されました。日本側を代表して高橋臨時代理大使からは、本プロジェクト実施に尽力した関係者に対するねぎらいの言葉と、本プロジェクトによって更なるイラクの医療体制の改善が図られることへの期待が述べられました。
[参考情報]
外務省ホームページ「我が国のイラク復興支援」
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