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イラクでは電力事情と同様に水衛生分野の事情も悪く、下水道の処理率が50%を下回り(都市ではさらに悪く10%台)、廃棄物処理に必要な機材の充足率もバグダッド首都圏で25%(都市では一桁台)と、下水道および廃棄物処理の普及・改善が急務とされていました。一方で1980年代からの長期にわたる戦争、経済制裁の影響により、スペアパーツが不足したために、機材の修理ができない状況や老朽化した機材の更新ができないといった状況が発生し、下水処理と廃棄物処理のサービス低下が年々課題となっていました。
日本国政府はこうした状況を改善するために、バグダッド市および都市・公共事業省、ならびに陸上自衛隊が復興支援活動を行なっているサマワ市に対して、廃棄物処理および下水処理にかかる機材・車両一式の支援を決定しました。JICSでは、都市・公共事業省およびサマワ市との契約に基づき、これら機材・車両一式の調達・輸送を進めています。
本計画の一環として、2005年9月下旬から11月にかけて、イラクの都市・公共事業省向け、およびサマワ市向けに日本や英国で製造されたごみ・下水処理用の特殊車両が船積みされ、輸送が開始されました。上記機材・車両については、これまで同国に納入された警察車両や消防車同様、現地の治安状況の情勢を分析しながら、納入業者をはじめ輸送会社、警備会社等関係者と調整しつつ、迅速かつ安全・確実な輸送を実施していきます。
また、10月25日、来日した都市・公共事業省ネスリーン・ベルワーリ大臣がJICSを来訪し、本プロジェクトの実施について佐々木理事長と協議しました。ネスリーン大臣からは、イラク全土における環境衛生の現状と圧倒的な機器不足について説明があり、さらにJICSのパフォーマンスに対する謝意が表明されました。また、同大臣からは、同省のキャパシティービルディングのためにも、機材の有効活用、適切な維持管理は非常に重要であり、トレーニングの実施に加え、ワークショップ等維持管理体制の整備が必要との考えが示されました。
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港で船積みを待つごみ・下水処理車両 |
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船に積み込まれた給水車 |
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JICS側と意見交換を行なうネスリーン・ベルワーリ都市・公共事業省大臣 |
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英国で製造され、船積みを待つダンパー |
プロジェクト名
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イラク共和国 ゴミ・下水処理車両整備計画(都市・公共事業省向け)<平成15年度緊急無償>
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政府間決定日
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2004年8月28日
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供与(EN)額
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36.43億円
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調達監理契約
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2004年8月28日、イラク都市・公共事業省と調達監理契約(調達代理方式)を締結
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納品完了予定
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2005年12月中旬
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プロジェクト概要
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バグダッド市を含むイラク国内の、廃棄物処理および下水道の普及・改善のために必要な機材を調達
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JICSの役割
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本プロジェクトの調達監理機関として、本プロジェクトの進捗管理(入札開催、業者契約、納入管理など含む)および資金管理を実施
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調達品目
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ゴミ収集車44台、カーゴトラック20台、汚泥吸排車22台、高圧洗浄車32台、散水車20台、ホイールローダー46台等
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プロジェクト名
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イラク共和国 ゴミ処理機材供与計画(サマワ市向け) <平成15年度緊急無償>
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政府間決定日
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2005年1月13日
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供与(EN)額
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6.57億円
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調達監理契約
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2005年1月13日、イラクサマワ市と調達監理契約(調達代理方式)を締結
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納品完了予定
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2005年12月初旬
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プロジェクト概要
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サマワ市のごみ収集・衛生環境の改善のために必要な機材の調達
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JICSの役割
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本プロジェクトの調達監理機関として、本プロジェクトの進捗管理(入札開催、業者契約、納入管理など含む)および資金管理を実施
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調達品目
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ごみ収集車15台、ダンプトラック2台、ダンパー10台、ごみ用コンテナ
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