2009年5月13日

車輌にJICSステッカーを貼付する職員

キーレプリカを授与

引渡し式での記念撮影
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サウジアラビアは、世界最大の原油生産量および埋蔵量を誇る国で、日本にとっては最大の原油供給国です。近年の原油価格高騰の影響を受け、経済が順調に発展し、国民一人当たりのGNI(国民総所得)が高所得国の数値を超えたため、2008年8月でOECD開発援助委員会のDACリスト(ODA裨益国リスト)から卒業することになりました。
これを受けて日本政府は、独立行政法人国際協力機構(JICA)がこれまで実施してきた技術協力プロジェクト「自動車技術高等研修所計画フェーズ2」の2009年中の終了を決定しました。このプロジェクトによって設立された「サウジアラビア日本自動車高等研修所(SJAHI)」で、これまでに800人を超える学生が自動車整備に関する技術を学び、この卒業生は現在エンジニアとして同国の自動車産業を支えています。
サウジアラビア政府は、自国民技術者の継続的な育成が不可欠と考え、日本政府に対して高い技術と教育・職業訓練を通じた「人づくりの支援」の継続を求めてきました。
サウジアラビア政府の大きな期待に応え、両国のより良い関係強化のために、日本政府は経済産業省エネルギー庁が行う「産油国石油精製技術等対策事業費補助金(産油国産業協力事業)」の一環としてこのプロジェクトを引き続き実施することを決定しました。
JICSは、2008年11月28日の「平成20年度産油国石油精製技術等対策事業費補助金(産油国産業協力等事業)」公示に対し、経済産業省資源エネルギー庁に業務提案書を提出、2009年2月19日に交付決定を受けた後、本事業の実施に必要な資機材の調達を行ってきました。この事業でJICSは、自動車の分解・組み立てを学ぶための実習用車輌95台を調達しました。車種はサウジアラビアで広く流通している日本メーカー7社の合計22車種を対象としました。
2月19日の交付決定後、JICSは直ちに現地の日本メーカーの正規販売ディーラー7社と売買契約を締結し、車輌の納入に立ち会ったうえ、検収作業を実施しました。
3月16日には車輌やその他必要な資機材の引渡し式が行われ、サウジアラビア側からは職業訓練公社(TVTC)副総裁、サウジアラビア日本自動車高等研修所(SJAHI)所長、インストラクターが、日本からは経済産業省企画官やジェッダ総領事などの関係者が出席し、現地のメディアにも取り上げられました。
今回の補助事業で調達した車輌はすべて最新の機能を有したモデルであり、学生がこれらの車輌を利用して実習を行うことで、より有益な技術力を身につけることが期待されています。
JICSは、日本のODA関連案件に関する業務で培った経験を生かし、今後も国際協力事業を効率的に実施するための活動を行っていきます。