スリランカは、近年の工業化の進展により、1990年代以降はエネルギー需要が増加しています。今後もますます需要が高まることが予想されていることから、再生可能エネルギーを利用した電力供給の方向性を探っていくことが大きな課題となっています。
このような状況のもと、スリランカ政府は、2016年までに同国の総電力の10%を再生可能エネルギーでまかなう計画を打ち出し、同国初となる太陽光発電システムの導入に取り組むことを決定し、太陽光発電分野で高い技術力を持つ日本に支援の要請をしてきました。
この要請をもとに日本政府は、気候変動の影響に対して脆弱な途上国において必要な気候変動対応(適応策支援)のための支援を行う「環境プログラム無償資金協力」の実施を決定し、2009年12月4日に「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する交換公文を、スリランカ政府との間で締結しました。
このプロジェクトは、ハンバントタ市郊外に太陽光パネルを設置することで、従来の火力発電による原油使用量の低減および二酸化炭素排出量の削減を目的としています。また、設置した太陽光パネルなどの機器の適切な維持管理についての指導も行われる予定です。
JICSはこのプロジェクトに関して、スリランカ国財務計画省と調達代理契約を締結し、本プロジェクトに必要な機材、施設建設契約の締結など必要なサービスの調達および資金管理を含む案件全体の監理を行っています。
2010年7月8日、スリランカ財務計画省対外援助局日本課長 クリスチャンティ・ハプゴダ氏とスリランカ再生可能エネルギー機構事務局長 チャンダナ・サマラシンゲ氏が、本プロジェクトにおける太陽光発電システム機材納入および設置、運転指導を行う会社選定を行う入札会に立ち会うため、JICSを来訪しました。
入札会後は、JICS佐々木理事長と会談し、両国の環境問題に対する取り組みなどについて意見交換を行いました。
また、本プロジェクトの調達代理機関であるJICSに対してのメッセージも伺うことができました。