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イラクの13都市の総合病院は、近代的な地方中核病院として、1980年代に日本企業により建設されました。しかし、1990年に発生した湾岸戦争やその後の経済封鎖により、十分な維持管理が出来ず、浄化槽や空調の機能停止、エレベーターの停止、医療機器の故障や不足など、様々な問題を抱えていました。そのため、イラク保健省は、これらの病院の改修に必要な資金協力を日本政府に要請してきました。これを受け、日本政府は、イラク復興に対する総額15億ドルの無償資金協力から、南部地域向けに約55.6億円、北部地域向けとして約75.3億円、また中部地域向けに約50.4億円の緊急支援をそれぞれ平成16年6月22日、10月2日、10月23日に決定しました。 |
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イラクの高度医療活動の回復のために、各県の中核病院に対して、一般設備(給排水、空調、電気)と医療設備(医療ガス)の改修と、主要医療部門(検査部、手術室、中央材料室、産婦人科、集中治療室、乳幼児小児科)への医療器材の供与
- 南部地域主要病院:ディワニヤ総合病院、サマーワ総合病院、ナシリア総合病院、ナジャフ教育病院
- 北部地域主要病院:アザディ総合病院、リズガリ教育病院、アルラジ総合病院、アザディ総合病院
- 中部地域主要病院:カドミヤ教育病院、ザハラ総合病院、ザハール総合病院
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外来患者(一日あたり) |
前 |
後 |
増加 |
南部3病院 |
1,215人 |
1,894人 |
1.6倍 |
中部3病院 |
1,294人 |
1,802人 |
1.4倍 |
北部3病院 |
842人 |
1,495人 |
1.8倍 |
この支援によって各地域の中核病院が整備されたことにより、医療活動が円滑に行えるようになりました。支援実施直後の調査によると、プロジェクト実施の前と後では外来患者数が4割から8割増加したと報告されています。 |
実施後の待合ロビーの様子(ザハール総合病院) |
患者監視装置(ザハラ総合病院) |
ボイラー設備(ナシリア総合病院) |
発電設備(アルラジ総合病院) |
放射線診断装置(アザディ総合病院) |
血液ガス分析装置(カドミヤ教育病院) |
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