ベトナム コミュニティ開発支援無償
保健センターが引渡されました

2010年7月2日

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完成した保健センター
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診察に訪れた地域住民
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診療の様子
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医師たちの講習会も開かれている
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建設中の道路

 ベトナムで実施されているコミュニティ開発支援無償「カマウ省森林火災跡地コミュニティ開発支援計画」は開始から約2年が経過しました。このプロジェクトは、ベトナム最南端のカマウ省ウミンハ地区における貧困削減と基礎的生活水準向上を目的とし、林地改良、水路、道路、橋、医療施設、教育施設などのインフラ整備および建設機械、木材加工機、医療機材の整備など幅広い分野での支援を行うものです。
 JICSは、調達代理機関として、プロジェクトを実施するために必要な役務や機材の調達、関係者間の調整を含むプロジェクト監理および資金管理を担当しています。幅広い分野における多様な調達を行うことから、困難な点も多くありましたが、関係者と粘り強く協議を重ねプロジェクトを進めてきました。

 今般、カマウ省ウミンハ地区5か所の保健センターの増設・建替えが終了し、引渡し式が行われました。
カマウ省では、省病院がトップ・レファラル病院(最終移送先病院)として位置づけられ、郡病院や地域の保健センターが第一次医療サービスを担っています。今回プロジェクトの対象となった保健センターでは、建物が老朽化し不衛生な状態であること、地盤が沈下し雨季になると浸水してしまうことなどの問題を抱えていたため、早急な改善が求められていました。

 さらに、同地区から省病院があるカマウ市までは、通常の交通手段で2〜4時間を要することから、住民にもっとも身近な存在である第一次医療サービスを向上させることが、同地区の保健医療事情を改善する上で重要な役割を果たすものとして、保健センターの改善が期待されていました。
保健センターの引渡し式では、ベトナム側からカマウ省保健局関係者、保健センター院長を含む関係者、JICS側からはカマウプロジェクト事務所関係者が出席しました。ベトナム側代表者として、院長以下関係者のそれぞれから日本の援助に対する感謝の言葉が伝えられました。
カン・アンクリニックのグエン院長からは、「これまで病気を治療するにはあまりにも劣悪な環境での医療行為であったが、衛生的な施設で治療ができることを大変うれしく思っている」との感謝の言葉をいただきました。また、ある婦長さんからは「今後雨漏りの心配はいらないし、前より広いクリニックになったので仕事がやりやすくなった」と感謝されました。さらに、患者さんからは、「こんなきれいなクリニックは見たことがない。清潔で、雨漏りの心配もなく、発電機があるので停電でも大丈夫」と喜んでいました。
また、この保健センターは入り口で履物を脱ぐ必要はないにもかかわらず、地域の人々は施設を汚さないように入り口で履物を脱いで診察室を訪れているというエピソードも聞かれ、保健センターが地域の人々に大切に使われていることがうかがえました。

 これまでにJICSが調達を実施した建設機械、木材加工機械、医療機材などはすべて納入が完了し、すでに各関係機関で活用されています。
今回引渡しが完了した保健センター以外にも、林地改良(448ヘクタール)、水路(12.9キロメートル)、道路(総延長約32キロメートル)、橋(7か所)、森林火災監視タワー、ステーションの工事も着々と進んで、2010年7月中には、計画されていたすべてのインフラ整備が完成する予定です。

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完成した橋
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森林火災監視タワーとステーション

プロジェクト基礎情報

供与(E/N)額 9.05億円
契約相手 ベトナム国カマウ省地方人民委員会
プロジェクト概要 森林火災の発生などにより生活が不安定であり、ベトナム国内でも最貧困地域のひとつとされるカマウ省ウミンハ地区の復旧、開発・貧困削減のため、森林改良、インフラ整備などを行うことで、コミュニティ全体の生計向上を目指す。
JICSの役割 本プロジェクトの調達代理機関として、本プロジェクト推進に必要な役務や機材の調達、プロジェクト監理および資金管理を担当する。
調達品目 林地改良、水路、道路、橋、医療施設、教育施設などのインフラ整備および建設機械、木材加工機、病院機材の整備など
プロジェクトの主な流れ/現状 【施設建設(全15ロット)】
2008年8月 設計コンサルタント2社と契約、設計調査開始
2009年3月 施工監理コンサルタントと契約
2009年6月〜7月 施工業者7社と契約、順次工事開始
【機材調達(全8ロット)】
2008年11月〜2009年3月 機材供給業者7社と契約、機材整備開始
2009年3月〜7月 機材引渡し、調達完了