ベトナム「クアンガイ省小規模貯水池修復計画」引渡し式を実施

2013年1月21日

 2010年9月から実施されてきた「クアンガイ省小規模貯水池修復計画」(コミュニティ開発支援無償資金協力)の引渡し式が2012年11月20日に現地で開催されました。

 本プロジェクトはクアンガイ省の対象地域で(1)農業用水を安定的に確保し、農業生産と農民の生計が向上すること、(2)洪水時の貯水池決壊によるリスクを軽減し、住民の安全を確保することを目標とし、老朽化した7貯水池とその関連施設の修復・改善や、関係機関に対する貯水池の水管理、安全管理体制、および組織運営の強化を図る技術訓練等(ソフトコンポーネント)を実施しました。

 対象7貯水池の下流には、農家約3,976世帯があり、農地面積(非灌漑地含む)1,650haのうち、現在551haが灌漑されていますが、プロジェクト完了により、846ha(約53%増)まで拡大され、農業用水の安定的な確保が可能になります。

 引渡し式は本プロジェクトで改修された貯水池のひとつであるファンフォン貯水池で開催され、在ベトナム日本大使館鈴木秀生公使、JICAベトナム事務所清水曉次長、またベトナム側よりクアンガイ省(日本の「県」に相当)人民委員会(PPC)のレ・ベト・チュウ副委員長他、プロジェクト実施担当局の農業農村開発局(DARD)、地元ドックホー県(日本の「郡」に相当)の人民委員会関係者、地元住民、施工を担当した地元建設会社、設計コンサルタントなど約200人が参列しました。鈴木公使は式典の挨拶で「日本とベトナムは来年、外交関係樹立から40年を迎えますが、この友好関係を基盤に、日越間の貿易は年々拡大しており、ベトナムにとって日本は最大の援助国となっています。日本のODAによる本プロジェクトで7か所の貯水池が修復されたことにより、クアンガイ省の基幹産業である農業の生産性が向上し、ベトナムの経済発展に貢献できるものと確信しています。」とその意義を述べられました。

●貯水池の着工前と竣工時の様子

Mach Dieu(マック・デュー)貯水池

(写真)
着工前
→
(写真)
竣工時

Huan Phong(フアン・フォン)貯水池

(写真)
着工前
→
(写真)
竣工時

●建設されたHuan Phong(フアン・フォン)貯水池の管理棟

(写真)
管理棟全景
(写真)
(管理棟玄上部の銘板

●引渡し式の様子

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DARDの若手職員による式典開会前の舞踊
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式典の最後には
テープカットが行われました
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クアンガイPPC
(レ・ベト・チュウ副委員長:左)より
日本大使館(鈴木秀生公使:右)へ
感謝状が授与
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JICAベトナム事務所(清水曉次長:右)
にも感謝状が授与されました

プロジェクト基礎情報

案件名 クアンガイ省小規模貯水池修復計画
供与(E/N)額 6.98億円
交換公文(E/N) 署名日 2010年8月11日
贈与契約(G/A) 署名日 2010年8月11日
調達代理契約(A/A)締結日 2010年9月20日
契約相手(調達代理契約) クアンガイ省人民委員会
プロジェクト概要 クアンガイ省7か所の小規模貯水池修復、アクセス道路の改修、貯水池維持管理棟の建設および施設維持管理用機材の調達、水管理や組織運営強化、貯水池の安全体制強化に関するソフトコンポーネントの実施
JICSの役割 本プロジェクトの調達代理機関として、援助資金を管理するとともに、施工会社を始めとするプロジェクト推進に必要な役務や機材の調達及びマネジメント業務を担当
調達品目 施工監理コンサルタント(本邦)、施工業者(現地)
プロジェクトの主な流れ/現状 2010年10月:設計・施工監理コンサルタント契約
2011年2月:施工会社(7社)契約
2012年6月〜11月末:7パッケージが順次竣工
2011年1月〜2012年11月:3回のソフトコンポーネント(ワークショップ)を実施