アフガニスタン 全国25カ所の要所の道路維持のための機材を調達

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2015年9月25日

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納入されたモーター・グレーダー
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納入された各種機材

 アフガニスタンの国土面積は約65万km2(日本の約1.7倍)で、その4分の3は山岳地帯です。同国の道路網の整備は最重要課題のひとつであり、これまでにも日本を含む国際社会の支援等により道路の整備や改修が行われてきました。しかしながら、特に山岳地帯の多くの道路は、大雨、土砂崩れ、雪崩などの発生によりしばしば寸断される状況にあります。特に地方においては道路維持管理を行う重機が不足、老朽化しており、適切な道路の修復に支障をきたしているのが現状です。

 アフガニスタン政府はこの状況を改善するため12県25ヵ所の道路拠点への道路維持管理用重機調達の支援を日本政府に対して要請しました。この要請を受け、平成25年3月5日、紛争予防・平和構築無償資金協力「道路維持管理能力強化計画」の実施が両国政府で合意されました。

 JICSはアフガニスタン政府(公共事業省)の調達代理機関として道路維持管理に必要なホイール・ローダー、除雪車、モーター・グレーダー、エクスカベーター、ダンプトラックの計106台の重機調達を行いました。アフガニスタンは内陸国であるため、調達機材はパキスタンやイランの港を経由して運ばれました。アフガニスタン国内にはいまだ治安が不安定な地域が点在しているため、機材の輸送には警備車両をつけ護衛するなど、細心の注意を払いすべての機材が首都カブール及び北部の主要都市マザリ・シャリフに無事到着しました。さらに、すべての機種の運転トレーニングが首都カブールで行われました。

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ホイール・ローダーの運転トレーニング
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ダンプトラックのトレーニング
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各機材の座学トレーニング

 平成27年7月1日、カブールにてこれら機材の日本政府からアフガニスタン政府(公共事業省)への引渡し式が到着した機材を前に執り行われました。高橋博史駐アフガニスタン日本国大使はこれらの機材による道路維持管理能力の向上により流通網の安定化やへき地から拠点都市への物流が促進され、さらに病院や学校、市場といった基礎的な社会サービスへのアクセス改善により人々の社会生活の向上が期待されると述べられました。また、マムード・バリーク公共事業大臣はアフガニスタン国民、政府(特に公共事業省)を代表し、日本の本支援について日本国民及び日本政府に心から感謝を表するとともに、これらの機材を大切に使うことを約束する、この支援は公共事業省が行う重要な地域の国道の維持管理の向上に大いに資するであろうと述べられました。

 これらの機材は、カブール及びマザリ・シャリフから公共事業省によって25ヵ所の作業拠点に順次運ばれ、合計470キロの主要道路の維持管理に活用され、災害時や緊急時の道路復旧作業などに活用されます。その結果、流通網の安定化や地方経済の活性化の促進、学校や保健医療施設等へのアクセス改善が図られ、12県の住民約1,000万人の生活向上に資することが期待されています。

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高橋大使のスピーチ
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バリーク公共事業大臣のスピーチ
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引渡し式 来賓の方々(バリーク大臣(右から4人目)、高橋大使(右から5人目))

【担当者のコメント】
アフガニスタンは治安が不安定な地域があり、特に機材の輸送中にテロなどに遭わないよう祈っておりました。今回、無事すべての機材が公共事業省に引渡され、ほっとしています。

プロジェクト基礎情報

案件名 道路維持管理能力強化計画
交換公文署名日 2013年3月5日
供与(E/N)額 27.48億円
調達代理契約 2013年5月14日
契約相手 公共事業省
実施機関 公共事業省
プロジェクト概要 12県の25拠点に対する道路維持管理用の建設機械、ダンプトラックの供与
JICSの役割 建設機械、ダンプトラックの調達
調達内容 ホイール・ローダー 25台
除雪車 6台
モーター・グレーダー 25台
エクスカベーター 25台
ダンプトラック 25台
(計106台)