モンゴル 環境プログラム無償
大気汚染が深刻なモンゴルに太陽光発電システムが完成 引渡し式を開催

2012年11月8日

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モンゴルの日差しを受ける太陽光パネル

 冬には気温が−30℃以下まで下がるモンゴルでは、燃料のほとんどを石炭に頼っており、特に近年急激な人口増加が進む首都ウランバートルでは、冬季の大気汚染が深刻な問題となっています。

 そのモンゴルに対し、2009年12月、日本国政府は「クールアース・パートナーシップ」の取り組みの一環として、チンギスハン国際空港に太陽光発電システムを設置するための資金を供与する「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」の実施を決定しました。年間降水量が東京の4分の1以下であり、年間を通じて晴れの日が多く豊富な太陽光に恵まれているモンゴルでは、太陽光発電は大きな潜在力をもつ再生可能エネルギーのひとつとして注目をあびています。

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太陽光発電を系統に合致した電圧に昇圧する昇圧変圧器(Step up Transformer)
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プロジェクトサイトと空港玄関口に設置されたプロジェクト案内板

 本プロジェクトで、JICSはモンゴル道路運輸建設都市計画省の調達代理機関としてプロジェクト全体の監理を行いました。調達した443.52kWの太陽光発電システムは2012年7月末に完成、モンゴル国内初の系統連系を行う大型太陽光発電システムとして空港内の施設に電力を供給しています。続いて9月28日には、道路運輸建設都市計画省のバサンドルジ バツァヤ副大臣、民間航空庁のサンジャジャブ バトムンフ長官、在モンゴル清水武則大使、JICAモンゴル事務所磯貝季典所長らが出席して引渡し式が開催されました。式典では、モンゴル側から日本政府と日本国民への心からの謝意が述べられるとともに、今後の再生可能エネルギー普及への取り組みへの決意が示されました。

 2012年は日本・モンゴル外交関係樹立40周年にあたります。その節目の年に完了を迎えた本プロジェクトを通じて、日本とモンゴルの友好関係がより深まることを期待し、また、モンゴルにおいて再生可能エネルギーの導入が促進されることを願っています。

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引渡し式でのテープカット(右よりバツァヤ副大臣、清水大使、バトムンフ長官、磯貝所長、システムインテグレーターとして常駐監理を行った日立プラントテクノロジー畑越氏)
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伝統楽器”馬頭琴”の伴奏でモンゴル国歌独唱(引渡し式)
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モンゴル国営放送のインタビューを受ける清水大使

プロジェクト基礎情報

案件名 太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画
交換公文署名日 2009年12月11日
供与(E/N)額 5.9億円
調達代理契約 2009年12月18日
契約相手 モンゴル道路運輸建設都市計画省
実施機関 モンゴル民間航空庁
プロジェクト概要 ウランバートル市チンギスハン国際空港隣接地への太陽光発電システム(443.52kW)の設置
JICSの役割 本プロジェクトの調達代理機関として、機材納入契約の締結など必要なサービスの調達および資金管理を含むプロジェクト全体の監理を実施。
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