パキスタン 環境プログラム無償
太陽光発電システムの引渡し式を盛大に開催

2012年8月28日

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パキスタン国内で初となる系統連系型
太陽光発電システム(計画委員会にて)
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技術委員会の駐車場に設置された
太陽光発電システム
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引渡し式で挨拶するギラーニ首相(当時)

 日本政府は、途上国の省エネ努力など地球温暖化ガス排出削減への取組に積極的に協力するとともに、気候変動で深刻な被害を受ける途上国に対して支援を行うクールアース・パートナーシップ プログラムの一環として、2010年2月11日、パキスタンに対し、太陽光発電システムを整備するための必要な資金を供与する「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」の実施を決定しました。

 本プロジェクトで、JICSはパキスタンの計画委員会と調達代理契約を締結し、プロジェクト全体のマネジメントを行い、2012年3月末にプロジェクトが完了、同年5月29日にはイスラマバード市内にて100名以上の関係者が出席し、引渡し式が盛大に開催されました。

 式典にはマクドゥーム・サイヤド・ユースフ・ラザ・ギラーニ首相(当時)も出席し、本プロジェクトは日本とパキスタンの国交樹立60周年を記念し、友好関係を真に示すものだと日本政府と日本国民に対し、謝意が述べられました。

 パキスタンでは、増大するエネルギー需要と深刻な電力不足とのギャップの解消が課題であり、従来型エネルギー資源だけではなく、太陽光、風力、バイオマスなど再生可能エネルギーの活用促進が望まれています。

 こうした中、本プロジェクトは、パキスタンにおける系統連系型(商用電力系統へ電力を供給)太陽光発電システム第1号として、計画委員会の駐車場と技術委員会の駐車場に各178.08kW、合計356.16kWの発電システムを設置し、大変注目を集めています。これは、今後、豊富な日射量を有するパキスタン全土に同様のプロジェクトが広がるよう、本プロジェクトが成功のモデルケースになると期待されているからです。

 JICSは、本プロジェクトがパキスタン国内におけるクリーンエネルギー活用の啓発・普及と共に、日本とパキスタンの友好関係発展に資することを願っています。

ぜひ、実施機関(技術委員会)が作成した本プロジェクト紹介動画をご覧ください。

プロジェクト基礎情報

案件名 太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画
交換公文署名日 2010年2月11日
供与(E/N)額 4.8億円
調達代理契約 2010年3月15日
契約相手 計画委員会(国家の成長戦略・計画の策定や主な開発プロジェクト及びプログラムの実施評価等を行っているパキスタン政府機関)
実施機関 技術委員会(パキスタンの経済・社会分野において持続可能な成長を遂げるため、技術分野の管理等を行っている法定機関)
プロジェクト概要 パキスタン イスラマバード市 計画委員会、技術委員会の駐車場の屋根部分に各178.08kWの太陽光発電システムを設置
JICSの役割 本プロジェクトの調達代理機関として、機材納入契約の締結など必要なサービスの調達および資金管理を含む案件全体の監理を実施