ブルキナファソ 医療施設のない村落39カ所に診療所や産科として利用できる保健社会向上センターが完成

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2016年6月28日

 サハラ砂漠の南に位置する内陸国ブルキナファソのムフン県トロバ・カリ村で、2016年5月31日、保健社会向上センター(ブルキナファソの公用語であるフランス語での名称がCentres de Santé et Promotion Sociale。以下「CSPS」という。)のオープニング式典が開催されました。これは日本のODAプロジェクト「保健社会向上センター建設計画」により完成した施設で、診療所や産科、薬局の機能を有しています。

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CSPSのオープニングを祝い集まった
トロバ・カリ村の方々
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完成した産科棟

 2012年4月に、日本政府の14.01億円の資金供与による実施が決定した本プロジェクトには、ブルキナファソ国内4地方39カ所における一般診療棟・産科棟・薬品販売所・医療従事者の住居等から成るCSPSの建設、医療に必要な水を確保するための井戸掘削、医療機材や家具、ワクチン運搬用バイクの調達、CSPS運営の研修が含まれています。

 JICSはブルキナファソ保健省と調達代理契約を締結し、本プロジェクトの調達代理機関として、資金管理を含めプロジェクト全体のマネジメント業務を実施してきました。

 CSPSに関して、JICSはブルキナファソの首都ワガドゥグにプロジェクトオフィスを構え、現地の施工会社選定から、建設工事開始後は、常駐の邦人の建設コンサルタントの方と協力し、建設の品質を保ちつつ、工事の遅延が発生しないよう管理を行ってきました。

 しかし、思いもよらない障害もありました。2014年10月末に大規模デモが発生しコンパオレ大統領が辞任した際と、2015年9月の大統領特別警護隊によるカファンド暫定大統領の拘束・立てこもり事件発生時には治安が悪化し、現地担当者が自宅待機を余儀なくされました。そのような状況でも、大使館やJICAの方々から迅速な治安情報の共有等でご支援いただき、無事にプロジェクトを進めることができました。

 完成したトロバ・カリ村のCSPSは5月19日に運営を開始しており、約10日で150名近くの患者(診療圏の人口が約5,400人のため、約3%に該当)が診療に訪れ、産科棟では2人の赤ちゃんが産まれたそうです。JICSの担当者2名が式典前日に現地入りした際にも、産科棟に入っていくのを見かけた妊婦さんが深夜に無事出産したという、とてもうれしい知らせを聞くことができました。

 オープニング式典には、スマイラ・ウエドラオゴ ブルキナファソ国保健大臣や二石昌人駐ブルキナファソ日本国大使をはじめとして、プロジェクト関係者のほか、多くの村民が参加しました。二石大使の「本案件により日本国がブルキナファソ国における保健サービス向上に貢献できた事を嬉しく思う。日本の援助により建設された施設が、長い間良い状態が保たれるようにしっかりとメンテナンスをお願いしたい。」というスピーチを受け、ウエドラオゴ大臣は「メンテナンスはしっかりと取り組みたい。(トロバ・カリで働く医療従事者について、村人の方達に向けて、)彼らは、遠くから家族と離れて皆さんの為にこのトロバ・カリに来ている。彼ら(医療従事者)を自分の家族同様と考え、日々の協力をお願いする。」と話されました。

 その後、日本側からブルキナファソ側へのワクチン運搬用バイクなどの引渡しセレモニーやテープカット、施設見学などが行われました。

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参加者の前に並んだ医療従事者の方々
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ウエドラオゴ保健大臣と二石大使による
テープカット

 とにかく印象的だったのは、地域の方々の熱狂的な歓迎と感謝の言葉です。今まで受診や出産のため遠い村まで長時間かけて移動しなければならなかった方々が、どれほど自分たちの村に診療所を待ち望んでいたか痛感しましたし、医療アクセス向上の重要性を再認識する、意義深いプロジェクトとなりました。

 ブルキナファソでは、JICSはこれまでも160校以上の小学校建設や初等教員養成校の建設、食糧援助などのODAプロジェクトに調達代理機関として関わってきましたが、今後も同国の発展に貢献するプロジェクトに関わっていきたいと考えています。

【現地でプロジェクトに携わっている担当者のコメント】

施設第三課 野崎 玲雄奈

 このプロジェクトを進めていく中で最もつらい思いをしたのは、案件の予算の関係上、CSPSの建設を1カ所諦めなければならなくなったときです。1カ所建設できなくなることを施主であるブルキナファソ保健省に伝える時は大変心苦しく、先方にはやはり落胆されました。

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 しかし幸いなことに、入札の結果、残余金が発生し、いったんはあきらめたCSPS1カ所の建設が可能となったのです!その際の施主の喜びを目の当たりにし、彼らの案件に対する熱い気持ちが伝わってきて、より一層この案件を担当することへのやりがいを感じることができました。

 当初予定通り39カ所すべてのCSPSが一日も早く運営開始できるよう、引き続き貢献したいと思います。


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JICSプロジェクトオフィスで秘書を務めるナンガ ダクレ アンドレアさん(手前右)と日本国内のプロジェクト担当後藤さん(手前右から2番目)
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2015年6月15日、ティオキュイ村で開催された、別のCSPSの引渡し式(運営開始前)に参加した時、いつもお世話になっているコンサルタントの沼田様と共に、たくさんの村の方たちに囲まれて撮りました。下の写真は上の写真の抜粋です。(右が沼田様、左が私。)
このときも、村の方たちからたくさん感謝の言葉をいただきました。

プロジェクト基礎情報

供与(E/N)額 14.01億円
交換公文(E/N)署名日 2012年4月27日
調達代理契約(A/A)締結日 2012年6月22日
契約相手(調達代理契約) ブルキナファソ保健省
プロジェクト概要 保健サービスへのアクセスの悪い4地方(10の保健行政区)39カ所を対象に、保健社会向上センターを建設。井戸及び機材も整備することにより、対象地域における保健医療へのアクセス改善を図る。また、運営委員会の組織化と研修に係る技術支援(ソフトコンポーネント)も実施する。
JICSの役割 保健省の調達代理機関として、施工監理コンサルタント、施工会社、井戸工事会社及び機材調達会社と契約を締結し、資金管理を含む計画全体の管理を行う。
調達品目 (1)施工監理コンサルタント
(2)施工会社、井戸工事業者、機材調達会社
プロジェクトの主な流れ/現状 2012年6月:施主と調達代理業務契約
2012年7月:施工監理コンサルタント契約
2013年2月:施工会社・井戸工事会社契約
2016年3月:第1バッチ施工完了
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