パプアニューギニア
東日本大震災の被災地でつくられた教科書を子どもたちへ
〜被災地の企業から感謝のお便りをいただきました〜

パプアニューギニアの地図へ

2013年10月9日

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凸版印刷仙台工場での印刷の様子
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パプアニューギニアへ贈られた教科書

 東日本大震災の発生を受け、被災地で生産された工業製品等(電気製品、医療機器、車両等)を開発途上国へ届ける、新たなODAのプロジェクトが実施されています。

 このプロジェクトでは、JICSは、被災地で生産され、かつ途上国に届けることが可能な製品を事前に調べ、医療、教育等テーマ別に情報を整理した上で外務省に情報を提供しました。

 日本政府と開発途上国政府との間でODAの供与が決定した後、JICSは実施機関として、先方政府が要望する製品の調達(入札等を実施し、製品を購入して途上国に届ける)を行いました。いち早く被災地復興に役立てるため、JICSの幅広い調達経験から得た、さまざまな製品の生産拠点情報等を活かし、迅速に必要な情報を集め、調達を行い、すでに15カ国でプロジェクトを終えています。

 その一つに、パプアニューギニアへ教科書、教員用教本、ノートを印刷して届けるプロジェクトがあります。このプロジェクトでは、パプアニューギニアが自国で教科書の内容(データ)を作成し、被災地域の三菱製紙株式会社八戸工場と日本製紙株式会社石巻工場で作られた用紙を使い、凸版印刷株式会社仙台工場で印刷しました。凸版印刷仙台工場は東日本大震災で建物等が損傷、大きな被害を受けましたが、復旧した工場でプロジェクトの印刷業務を行い、約12万冊の教科書・教本、24万冊のノート等がパプアニューギニアへ届けられました。

 パプアニューギニアでは教科書不足から、教科書を個人で所有せず、先輩から後輩へと受け継いで使用しています。今回贈られた教科書も長期間にわたり、たくさんの子どもたちが使用する予定です。

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新しい教科書での授業 (8年生)
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みんなで記念撮影

 JICSは今後もこのような新たな取り組みを取り入れたプロジェクト実施やその提案活動に積極的に関わっていきたいと考えています。

 教科書とノートの印刷を行った凸版印刷株式会社仙台工場渥美浩司工場長よりプロジェクトに対する感謝のお便りをいただきましたので、掲載いたします。

『ノン・プロジェクト無償』によるご支援について

 東日本大震災により、我々、凸版印刷・仙台工場も大きな被害を受けました。工場の完全復旧までに半年以上も要した上に、多くのお得意先も多大な被害を受けられたため、仕事量は激減し生産もままならない状態でした。そのような状況の中、被災工場での生産を前提とする本案件は、当仙台工場はもちろんのこと協力会社や製紙工場も含め、被災地の生産性向上につながり、大変ありがたいものでした。

 東北エリアでは、沿岸部を中心にまだまだ復興が進んでいない地域も多く、経済状況も芳しくありません。本案件は、被災地への大きな復興支援となるだけでなく、我々が生産したものが発展途上国の子供達の手に渡るという意味においても大変意義深いものであると考えています。本案件による当工場へのご支援に感謝の意を表すると共に、貴財団の継続的かつ発展的な活動をご期待申し上げます。

凸版印刷株式会社 仙台工場
工場長 渥美 浩司

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凸版印刷株式会社仙台工場
渥美 浩司 工場長
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凸版印刷伊東厚常務もJICSを来訪されました
(2013年6月21日)

凸版印刷仙台工場の被災時と復旧後

被災時
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復旧後
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プロジェクト基礎情報

プロジェクト名 ノン・プロジェクト無償(途上国の要望を踏まえた工業用品等の供与)
供与(E/N)額 1.50億円
交換公文(E/N)署名日 2012年3月12日
調達代理契約(A/A)日 2012年3月23日
契約相手(A/A) パプアニューギニア独立国国家計画モニタリング省
プロジェクト概要 東日本大震災の被災地で製造される工業用品等の調達
調達内容(品目)及び生産拠点所在地 教科書(宮城県・青森県)、ノート(宮城県・青森県)、ボールペン(茨城県)、書画カメラ内蔵プロジェクター(福島県)、災害救急セット(福島県)、乗用車(岩手県)