ルワンダ共和国はアフリカ大陸のほぼ中央部に位置し、アフリカで最も人口密度が高いといわれる国です。労働総人口に占める農業従事者の割合は8割を占め、農業は同国の経済において大きな位置を占めています。生産のほとんどは穀類や芋類、豆類、バナナ等の食糧作物ですが、国内生産量は消費量に及ばず、近隣国から食糧を輸入しています。また、1人あたりの年間食糧供給量は1994年7月の内戦終結後、減少が続き、2006年にようやく増加に転じましたが、この水準は内戦前の1990年の供給量を大幅に下回っています。
日本政府はルワンダに対し、1983年から1993年の間、食糧増産援助(2KR:2005年度に現在の「貧困農民支援」に名称変更)を実施してきました。内戦後、2006年度に援助が再開され、2008年度には主食のひとつであるジャガイモの栽培に必要な肥料の調達を目的として、2KRが実施されています。
JICSは、ルワンダ政府の調達代理機関として2009年6月に入札を実施し、その後肥料が問題なくルワンダに届けられるよう監理を行いました。肥料は2009年11月から2010年1月にかけてルワンダに到着し、肥料の使用時期に合わせて販売されました。農民からは肥料を使用することで収穫量が7〜8割程度増加し、食糧増産に大いに役立っていると喜びの声が届いています。