2009年5月27日
握手を交わすシマシク大使と佐々木理事長 |
アフリカ南部に位置するザンビアでは、近年柔道人気の高まりを受けて競技人口が増え続けており、2006年にアイルランドで開催された国際大会では、同国選手がメダルを多数獲得するなどの実績をあげています。
ザンビア国立スポーツ協議会の認可を受けて1970年に設立されたザンビア柔道連盟は、現在では14道場、約3,000人の会員を擁し、柔道の普及、レベルの向上に努めるほか、柔道を通した青少年の健全な心身育成などにも力を注いでいます。
活動に不可欠な柔道器材の多くは、平成8年度一般文化無償および平成15年度フォローアップ事業により日本から支援されたもので、中には10年以上使用したため老朽化が進み、使用上の問題が生じていたものも数多くありました。
しかし、柔道器材は同国で製造することが困難であり輸入に頼らざるを得ない上に、財政状況が厳しくこれらの費用を捻出することができない状態にありました。
このような状況から、ザンビア国は、全14道場のうち9つの道場に対する柔道器材の購入に必要な資金について、日本に一般文化無償資金協力を要請してきました。
これを受け、2008年10月27日に、柔道器材供与に関する「平成20年度ザンビア向け一般文化無償協力ザンビア柔道連盟柔道器材整備計画」の実施が決定し、JICSはザンビア国立スポーツ協議会と契約を締結し、器材の調達手続きを進めています。
2009年5月14日、JICSで行われた入札会にはザンビアのシマシク駐日大使が立ち会い、次のように述べました。
「1964年の独立以前、ザンビアでは黒人がスポーツをする機会は少なく、器材も環境も整っていませんでした。現在は誰もが自由にスポーツに親しむことができます。今回、日本から柔道器材の支援を受けられることとなり、今後さらにザンビアで柔道が盛んになること、そしてより多くの青少年や子どもたちが柔道に接する機会を持てることを大変嬉しく思っています」
入札会終了後の表敬訪問では、シマシク大使から佐々木理事長に対して、日本の援助とJICSに対する謝意が表されました。JICSはこの日の入札結果を踏まえ、今後ザンビア側と協力しながら手続きを進めていきます。 |