ブルキナファソはサハラ砂漠の南に位置する内陸国で、日本の70%ほどの国土に、約1,600万人が暮らしています。ブルキナファソでは保健・医療関係のインフラが脆弱で、子どもの死亡率が非常に高く(乳児死亡率91人/1,000人、5歳未満児死亡率166人/1,000人)と,サブサハラアフリカ全体での平均(乳児死亡率81人/1,000人、5歳未満児死亡率129人/1,000人)より悪い状況です。
日本政府は2008年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)をはじめとして,様々な場において,アフリカにおける保健サービス向上への取組みに対する支援を表明しており,これを具現化するものとして、2012年4月27日にコミュニティ開発支援無償「保健社会向上センター建設計画」の実施を決定しました。
本プロジェクトでは、保健サービスへのアクセス改善を最優先目標とし、国内でも特に状況が悪い地域で、一般診療、分娩・周産期ケア、予防接種の出張サービスなど行う保健社会向上センター(CSPS)を新たに39か所で建設し、診察台など診療用資機材一式の調達や、運営委員会の組織化と研修にかかる技術支援(ソフトコンポーネント)も実施します。また、保健社会向上センターには、衛生の確保、診療のための水が不可欠なため、建設予定地あるいはその近辺に利用可能な既存水源がない場合には、井戸の掘削も行う予定です。
JICSはブルキナファソ保健省と2012年6月22日に調達代理契約を締結し、保健省の代理人(調達代理機関)として本邦コンサルタントと施工監理契約を結ぶとともに、入札により施工会社、井戸工事会社、機材調達会社を選定し、これらの会社と契約を締結します。その後、各社は契約に基づく業務を実施し、JICSは進捗に応じ各社に契約代金の支払いを実行します。又、JICSは各工事についてコンサルタントによる施工監理報告を受け、進捗状況を確認しつつ、プロジェクト完了まで計画全体を管理します。
4地方10保健行政区の39か所で建設される保健社会向上センターには、それぞれの診療圏で5,000〜8,500人の人口が見込まれ、アクセスの改善により、保健サービスの利用増大にもつながるものと期待されています。
【担当者のコメント】
ブルキナファソに到着し、病院の少なさを目の当たりにしました。また、診察代は高額とのこと。今回のプロジェクトで、診察や治療が必要な方々に少しでも貢献したいと思います。調達代理契約の締結には予想以上の時間を費やしましたが、施主(保健省)の一字一句まで細やかに確認する姿勢に、この案件に対する真剣さを感じました。