ブルキナファソの小学校では、深刻な教室不足により、1教室に100人以上がぎゅうぎゅうに詰め込まれたような状態で学ぶ学校や、ワラ葺き屋根や日干しレンガ造りなどの脆弱な教室棟が未だに多く存在しています。
日本政府は第4回アフリカ開発会議(TICAD W)で表明した教育分野支援拡大の一環として、ブルキナファソの初等教育の機会拡大と質の向上を目的とした「第四次小学校建設計画」への無償資金協力の供与を2009年4月に決定しました。
JICSはブルキナファソ政府の調達代理機関として、現地施工会社の選定および契約、ならびに資金管理と本プロジェクト全体の実施管理を行いました。工事期間中には、集中豪雨による建設現場への道の遮断や、暴動での治安悪化による在留邦人の一時国外退避など、困難もありました。しかし、プロジェクト関係者の多大な努力により、全ての学校が無事完成し、クリテンガ県、ブルグ県、ブルキエンデ県、ヤテンガ県に計237教室が建設され、11,850人の子どもたちの学習環境が改善されました。
2013年2月5日、ブルキエンデ県のラロ校で引渡し式が開催され、ブルキナファソ国旗と日の丸を手にした約400人の生徒やコミュニティの人々がクンバ・ボリ・バリ国民教育識字大臣と杉浦勉在ブルキナファソ日本国大使を出迎えました。式典には森下拓道JICAブルキナファソ事務所長はじめ、プロジェクト関係者も多数出席し、地域住民による伝統ダンスや生徒による歌の披露で、小学校の完成・引渡しを盛大に祝いました。
クンバ大臣は、日本国民に対する深い謝意を表し、新しい教室で学習できる機会を得たラロ校の子どもたちには、励ましと期待のメッセージを述べました。