2012年12月21日、標高1600メートルに位置する北西州バメンダ市のGS NGOMGHAM小学校で、日本のODAプロジェクト「第五次小学校建設計画」の起工式が開催され、カメルーンのユスフ ハディジャ・アリム初等教育大臣、 新井勉在カメルーン日本国大使、JICAカメルーン事務所長の代理である桑畑美津子企画調査員、および多くのプロジェクト関係者が出席しました。
このプロジェクトは日本政府がカメルーン政府の要請を受け実施決定し、既存施設の老朽化が特に著しい北西州において、新たな2校の建設及び29校の建て替えと教室家具の調達を行うものです。これらの整備により11,400名の児童が適切な環境で学習することが可能になります。JICSはカメルーン政府の調達代理機関として日本からの援助資金管理や建設会社の選定・契約ならびにプロジェクト全体監理を実施しています。
式典では、北西州の貴族の称号を授与され、その衣装に身を包んだ新井大使が、「アフリカ開発会議(TICAD)で採択された誓約に則り、1993年より日本政府はカメルーンに開発プロジェクトによる支援を行っており、今回のプロジェクトがカメルーンにおける子供達の就学率向上に寄与することを願っている。」と述べられました。
ハディジャ・アリム初等教育大臣は、「大統領は教育を中核政策に据え、カメルーン人が等しく教育の権利を得ない限りは、国家課題は解消されないと述べています。そしてこの目標達成に向かい、カメルーン政府は努力してきました。」と話し、学校整備だけではなく、他のODA プロジェクトについても謝意を述べられました。
また、調達代理機関のJICSからは武井清隆プロジェクトマネージャーが、本プロジェクトはコミュニティ開発支援無償と呼ばれる協力形態で実施されるものであり、この制度の特徴でもある地元企業の施工により建築コストが抑えられ、建築できる教室数が増えていることや、日本のコンサルタントによる施工監理により、日本の優れた技術が地元企業に伝えられていることなど、具体例も交えて説明しました。
このほか式典では、児童より起工を祝う歌やダンスが披露され、ハディジャ・アリム初等教育大臣と新井大使による「礎石(建物の土台となる石)」を置くセレモニーも行われました。