ジブチ政府は、教育を同国の発展の重要課題のひとつと位置づけ、基礎教育9年間(初等教育5年間および前期中等教育4年間)の義務化および無償化を導入しました。基礎教育の就学率の向上にともなう生徒数の増加を受け、教員の増員が必要となっていますが、新規教員を養成するための施設が不足していることから、ジブチ政府より日本政府に対して、新たな教員養成校の建設および機材整備を目的とした無償資金協力の要請がなされました。
この要請を受け、2010年2月11日に日本政府とジブチ政府との間で交換公文が締結され、コミュニティ開発支援無償「初等・中等教員養成校建設計画」として養成校建設と教室用備品の調達等に必要な資金の供与が決定しました。
本プロジェクトは、ジブチ市街地に3年制の初等・中等教員養成校を建設するものです。この養成校では1学年あたり325名(小学校教員85名、中学校教員240名)、3学年合計で975名の教員が養成される予定となっています。
JICSはジブチ政府教育・高等教育省の調達代理機関として、同省に代わり援助資金を管理するとともに、プロジェクトの円滑な実施に向け、調達手続きを含むマネジメント業務を行っています。これまで、現地における入札を経て、2010年4月にコンサルタントと、7月には施工会社と契約を締結しており、順次作業を進めています。
2010年10月27日には本プロジェクトの起工式が開催されました。式には、ジブチ共和国大統領、在ジブチ日本国大使館大使、JICAジブチ事務所、ジブチ政府関係閣僚、在ジブチの外交使節団など多くの関係者が出席し、コーランの朗読や学生による民族舞踊が披露されるなど、華やかな雰囲気の中で行われました。式典の様子は同国の新聞、テレビなどで大きく報道され、日本の援助によって実施される本プロジェクトへの期待の大きさがうかがわれました。
本プロジェクトにおいて教員養成校を建設することによって、教員不足が緩和され、教育の質が向上することが期待されています。子どもたちが充実した学校生活を送る環境づくりに寄与できるよう、JICSはプロジェクトのサポートを行っていきます。