2009年9月3日
校舎の土間下掘削工事中を行う作業員
(北ショワ県 2009年2月)
工事が進む校舎(西ハレルゲ県 2009年7月)
壁工事中の校舎(北ショワ県 2009年7月)
コンサルタントスタッフによる家具の製作出来高検査 |
エチオピアは、貧困削減問題の解決策のひとつとして、子どもたちの教育を重視した政策を行っています。その結果、就学率は大幅に上がりましたが、教育環境の整備が追いつかず、小学校等の学校不足が深刻な問題となっています。なかでもエチオピア最大の州であるオロミア州では、特に教室不足が深刻で、地方自治体や住民による学校建設も行われていますが、依然として不足が解消されず、財政状況が厳しいため、日本政府に対して学校建設のための無償資金協力を要請してきました。
これを受けて日本政府は、2007年12月4日にエチオピア政府との間で「オロミア州小学校建設計画」の実施を決定しました。
JICSは2007年12月25日、エチオピア政府と調達代理契約を締結し、同国政府の代理人として、このプロジェクトの実施に必要となる資機材の調達や施工業者、コンサルタントの選定などを行い、学校建設を進めています。
このプロジェクトで建設する学校のほとんどが幹線道路から離れた奥地にあり、中にはロバで資材を運び入れなくてはならない場所や、未舗装道路を5時間以上走らなくては着かない場所もあります。また、6月から9月の雨季には現地へのアクセスがきわめて困難になるため、工事は乾季中にしか実施できないなどの制約があり、より迅速な業者選定手続きが求められました。
さらに、急激な物価の上昇などにより、当初計画よりも建設数を減らさざるをえない状況になりました。当初の計画では、オロミア州の北ショワ県、西ハレルゲ県とアルシ県に57校348教室の小学校を建設する予定でしたが、2008年12月時点では建設できる学校は31校200教室となりました。その後、2009年1月に現地通貨の対ドル為替レートの切下げが行われ、ドルによる調達資金に余裕ができ、追加で5校28教室の建設を行うことが決まり、最終的に建設する学校数は合計36校228教室となりました。
さまざまな外部要因の影響を受け状況が変わる中、JICSは日本大使館や相手国の実施機関である財政経済開発省などプロジェクト関係者と度重なる協議を行い、プロジェクトを円滑に進めることができるよう力を注いできました。調達準備期間を経て、2009年2月、建設が先に決まっていた31校が着工し、雨季が明ける2009年9月には後から追加された5校の建設工事を開始する予定です。
2009年8月現在、工事はほぼ計画どおり、スムーズに進んでいます。全校の最終的な工事完了は2010年4月になる見込みです。 |