2010年6月18日
竣工式でのテープカット
生徒たち
学校の外壁に衛生に関する絵をかく教師と生徒
完成した絵 |
エチオピア政府は、貧困問題解決を国の重要課題として取り上げており、子どもたちの教育機会の充実を重視した政策を取り続けてきています。この課題に取り組むために、エチオピア政府は、同国最大の州であり、さらに学校不足が顕著なオロミア州での無償資金協力「オロミア州小学校建設計画」を日本国政府に要請してきました。
JICSは2007年12月25日からエチオピア政府の調達代理機関として、同無償資金協力に携わっており、援助資金を管理するとともに、この計画の実施に必要となるコンサルタントや施工業者の選定、さらには必要となる家具等の資機材調達を進めてきました。
また同時に、JICSは在エチオピア日本大使館や国際協力機構(JICA)、さらには相手国の実施機関である財政経済開発省などのプロジェクト関係者と度重なる協議を行い、プロジェクトを円滑に進めることができるよう力を注いできました。
エチオピアでの工事を進めるにあたっては、様々な困難にも直面してきましたが、エチオピアの人々の協力で解決することもできました。
エチオピアでは、6〜9月に雨季を迎えます。大雨で学校建設現場への道が被害を受け、建設車両が通行できずに工事が中断しかかったこともありましたが、先生や生徒、村人が総出で道路補修を行ってくれたため、どうにか続けられました。これには建設会社のスタッフも感謝し、道路がぬかるんでトラックが通行できない現場へは、トラクターやロバの背に建設資材を積んで運ぶなど、さまざまな策を講じて工事が遅れないよう努力してくれました。このように両国政府関係者のみならず、建設会社スタッフと地域住民が一体となってプロジェクトを進めてきました。
多くの人々の協力を得て、2009年2月に建設工事を開始した31校が次々と竣工し、同年11月から2010年3月にかけて、先方政府および各学校へ引き渡しを行ってきました。
2010年1月23日に実施されたクユ郡の新設校の引渡し式には、日本側からは駒野大使、エチオピア側からはオロミア州大統領をはじめ多数の関係者が出席し、現地の人々の熱気の中で催されました。JICSからも久保業務第一部長が出席し、関係者への感謝と生徒たちが新しい学校で一所懸命勉強してくれることへの期待を伝えました。
本プロジェクトでは、すべての学校でソフトコンポーネント(ソフト面の支援)として、現地の医療分野専門のコンサルタントによる、トイレの使い方や正しい手洗いの仕方などの衛生指導も実施しました。その活動の最後には、学校関係者だけではなく地域の人々にも衛生活動の重要性を伝えることを目的として、今回指導を受けた教師や生徒が学校の壁面に衛生に関する絵を描きました。
また、JICSは社会貢献活動の一環として、エチオピアの教育局関係者と相談のうえ、本プロジェクトで建設したすべての学校に、それぞれの学校の図書室が少しでも充実するように、合計約6,000冊の本を購入し、配布することにしています。
追加工事として現在行っている7校40教室についても、一日でも早い完成を目指し、急ピッチで作業に取り組んでいるところです。 |