マラウイ共和国にて2010年8月から実施されてきたコミュニティ開発支援無償「中等学校改善計画」の竣工式が2013年2月28日に、首都リロングウェ県に位置するムセシェ校にて開催されました。
このプロジェクトはマラウイ共和国の公平な教育機会の提供と教育の質的向上を上位目標に(※1)、対象地域における中等教育の就学環境改善を目的として南部州および中央州にある中等学校6校に施設(一般教室、理科実験室、図書室、管理諸室、トイレ、女子学生寮、多目的ホール/厨房、教員用住居等を含む)を建設し、拡充するプロジェクトです。2011年8月から工事が開始され、2013年1月から2月にかけて全6校のうちムセシェ校を含め3校が完成し、既に施設の利用が始まっています。
竣工式には、マラウイ側からユーニス・ガゼンベ教育科学技術大臣、日本側から寒川富士夫在マラウイ日本国大使、齋藤克郎JICAマラウイ事務所長、JICS職員を始めとしたプロジェクト関係者、学校関係者、生徒、地域の人々など多くの方が出席しました。
式典では、生徒代表が、「新しい施設を綺麗に大切に利用していきたい」という言葉とともに、日本への感謝の気持ちを伝えてくれました。ガゼンベ大臣はスピーチの中で「マラウイの経済発展に教育の向上は不可欠であり、今回の日本の援助によって不足していた中等学校が増設されたことに大変感謝している。特に女子学生寮の新設は女子生徒の就学を容易にし、女子の就学率の向上は未成年の妊娠、結婚、出産抑制に大きく繋がる。」と強く感謝の意を述べ、寒川大使との固い握手に会場では歓喜の声が上がりました。
その後も、生徒たち、地域の人々による伝統的な歌や踊り、演奏が披露され、竣工式は熱が冷めぬまま幕を下ろしました。本式典の様子は、同国の新聞やテレビなどで大きく報道されました。
このプロジェクトによって、対象地域での中等レベルの教育施設の収容能力が1,040人(24教室)分拡大し、中等教育の就学生徒数が向上するとともに、448人分の女子寮(4棟)、計1,280人収容可能な多目的ホール(4棟)が完成し中等教育の実施に必要な諸施設が整備され、良質な教育環境の提供につながることが期待されています。
JICSはマラウイ共和国教育科学技術省の調達代理機関として、援助資金を管理し、コンサルタントの雇用、施工会社の選定・契約、家具・機材の調達、施工・製造監理等、中等学校建設にかかるプロジェクト全体の調達代理業務を行ってきました。JICSは、残り3校の建設及び機材の調達が円滑に進むよう、引き続きこのプロジェクトの調達代理業務に努めていきます。