ニカラグアにおける初等中等教育環境の改善を目的として実施していたコミュニティ開発支援無償「北部地域教育施設改修及び機材整備計画」で小学校・中等学校計26校(内22校が小中併設)が完工し、すべての学校の引渡しが終了しました。
このプロジェクトの完成により、幼少時に教育を受けることができなかった大人や働いている子供等も対象とした土日・夜間授業も含め、新たに延べ約10,000人分の教室が確保され、ニカラグア北部における子供達の教育環境が大幅に改善されることとなりました。
JICSはこのプロジェクトにおいて、ニカラグア国教育省と調達代理契約を締結し、援助資金の管理や資機材や役務の調達を含むプロジェクト全体のマネジメントを行ってきました。ニカラグアは地震の多い国であるため、今回のプロジェクトでは現地の耐震基準、建設基準などをも考慮し慎重に設計、建設を進めました。また、今回の建設地には未舗装の山道や河川を車両で横断しなければならない場所もあり、工事の中盤時期にあたる2010年の雨季には、最近10年間の平均降雨量を170%も上回る降雨となり、がけ崩れや川の氾濫により資材を搬入できない等、工事を進めることが困難な時期もありました。このような状況の中、日本の援助として求められる品質を維持する必要性からJICSには幅広い役割が求められ、現地の施工会社、コンサルタントの協力を得つつ、きめ細かい施工管理や案件管理を行うなどの工夫を重ねました。
プロジェクト担当者からのメッセージ
ニカラグアでは、これまで学校に行けない子供が多くいましたが、現地コミュニティに引渡しを行った校舎の使用が開始され、「以前は学校に通うことが出来なかった生徒が、数多く学校に来て、新しい校舎で勉強できるようになった。教師にとっても仕事の張り合いが出てきた。」という先生方のお話を伺い、ひとつのプロジェクトのもたらす裨益効果の大きさを肌で感じました。また今後ニカラグアの発展を担う人材がこれらの学校から輩出されてほしいという希望は、両国関係者の切なる願いでもあります。
今後ニカラグアが行う「ニカラグアの教育システムの改善・構築、教育水準のアップ」という一大プロジェクトのための準備をお手伝いできたという意味でも、非常に有意義なプロジェクトだと感じています。