ナイジェリア政府は、2015年までに国民の100%に初等教育を普及するとの目標を掲げています。しかし北部に位置し、同国で一番多く(約1千万人)の人口を抱えるカノ州では、小学校が不足しており、教室では大幅に定員を上回る過密状態で授業が行なわれています。また、既存の学校では、雨漏り、屋根や壁の損壊など劣悪な状態にある教室が多数を占めており、教室の増設とともに、教育環境の整備・充実は急務となっています。
このような中、ナイジェリア政府から日本政府に対して、カノ州における学校施設の整備にかかる協力の要請があり、2010年6月28日、コミュニティ開発支援無償「第二次小学校建設計画」の実施が決定されました。本プロジェクトでは、カノ州の計30の小学校で、教室棟71棟(287教室、11,480人分)、トイレ45棟(272ブース)を建設する予定となっています。
JICSはこのプロジェクトにおいて、ナイジェリア政府との調達代理契約に基づき、コンサルタントの雇用、施工会社の選定・契約、機材の調達、資金管理など、小学校建設にかかるプロジェクト全体の調達代理業務を行っています。
2011年3月1日、建設現場となる30の小学校の1つ、Kumbotso校で起工式が盛大に執り行われました。ナイジェリア国家斉唱、ナイジェリア・ダンスにより始まった式典は、在ナイジェリア日本国大使、JICAナイジェリア所長の祝辞に続き、ナイジェリア国カノ州政府・教育大臣、連邦政府教育省大臣よりスピーチが行われ、本プロジェクトの実施に関する日本国政府への謝辞が述べられました。
その後、関係者による日本式の「鍬入れ」が行われ、工事の安全を祈願しました。なお、同式典の様子は、現地の新聞等で広く報道されました。