2009年7月7日

パレスチナ自治政府と調達代理契約の署名を交わすJICS職員(左から2人目)

エルサレムとジェリコをつなぐ主要道路にある改修予定の排水カルバート(暗渠)。いずれも土砂やゴミで埋もれているため、大雨のあとは道路が冠水して通行不能になる |
日本政府は、1993年9月のオスロ合意によって生まれたパレスチナ自治政府に対し、中東和平プロセスの進展に向けた努力を最大限支援する方針としています。2006年7月、日本政府は、共存共栄に向けた中長期的な取り組みとして、「平和と繁栄の回廊」という構想を提案しました。これは日本のODAを活用して、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンの域内協力を実施し、ヨルダン渓谷の経済開発を進めることを目的としたものです。
ヨルダン川西岸地区の東側にあるジェリコ市は、パレスチナとヨルダンの国境に位置する交通の要衝です。しかし市内の道路整備が遅れており、市内道路の約60%が未舗装となっています。また、市内道路のうち街灯や歩道が整備されているのはそれぞれ約19%、約11%にとどまっており、安全な市民生活、商業活動や観光に支障をきたしています。
このような状況を受け、パレスチナ自治政府から日本政府に対しジェリコ市の生活道路改修、歩道整備、街灯整備及び道路の維持管理に必要な機材のための無償資金協力の要請がなされました。日本政府は今回の要請を「平和と繁栄の回廊」構想に資する案件と位置づけ、紛争予防・平和構築無償による支援を決定しました。
その後、JICAが行った予備調査の結果に基づき、2008年12月、日本政府とパレスチナ自治政府の間で交換公文(E/N)の署名・交換が行われました。
JICSは2009年2月5日、パレスチナ自治政府(地方自治庁)とエージェント契約に署名し、活動を開始しています。ヨルダン川西岸地区のラマッラに現地事務所を開き、現地でコンサルタント選定、詳細設計、施工業者の選定の入札準備などの業務を行っています。
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