2011年7月9日アフリカ54番目の国として独立した「南スーダン」の首都ジュバでは、2005年の南北包括和平合意の成立後、急速に発展し交通量も急激に増加しています。その一方で、同市の主要幹線道路上の橋が老朽化して損傷が著しく、経済発展の基幹ともなる交通インフラの整備の必要性の観点からも、これらの橋の架け替えが緊急の課題となっていました。
このような中、スーダン政府より日本政府に対し、主要道路上の老朽橋の架け替えやカルバート※の建設にかかる支援の要請があり、2009年11月19日に「ジュバ市道路橋梁整備計画」の実施が決定しました。
JICSはスーダン政府の調達代理機関として、援助資金の管理、設計や施工監理を行うコンサルタントとの契約締結、入札手続きによる施工会社の選定と契約締結、およびプロジェクト監理を行っています。
このプロジェクトで工事を進めてきた2本の橋の架け替えが完了し、各々の橋で7月4、5日に開通式が開催されました。出来る限り早く工事を完了させ、新たな首都となるジュバの交通環境を改善したいというプロジェクト関係者の強い思いもあり、当初の予定よりも早い独立前に2本の橋と3基のカルバートを完成させることができました。
これらの橋やカルバートが完成したことにより、雨期の道路浸水による車両通行の途絶や迂回路の渋滞が解消されて市内の交通が円滑になり、ひいては社会・経済活動が活性化することで、内戦後の復興と平和の定着の進展が期待されています。
※カルバート:暗渠。道路下に埋設された水路のこと。