2009年6月5日
 エージェント契約を締結し、先方関係者と握手を交わすJICS職員(右)
 ダッカ市内を走るCNGバス
 ダッカ市内のCNGワークショップ。部品の交換や修理などのサービスを行う |
2009年2月18日、日本政府とバングラデシュ政府は、12億1,500万円の環境プログラム無償資金協力によるダッカ市廃棄物管理低炭素化転換計画の実施を決定しました。本プロジェクトは、2008年7月に「クールアース・パートナーシップ」のパートナー国となったバングラデシュに、二酸化炭素排出量の少ない廃棄物収集車輌(天然ガス車輌)の導入等のために必要な資金を供与するもので、JICSは調達代理機関の役割を果たします。
バングラデシュでは、首都ダッカを中心とする首都圏人口が1,220万人を超え、廃棄物が増大しているにもかかわらず、市役所の実施体制が追いつかず、機材不足や住民の衛生意識の低さなどもあり、適切な廃棄物管理が行われていない状況でした。そのため独立行政法人国際協力機構(JICA)が開発調査を実施のうえ2005年にマスタープランを作成、2007年2月からは技術協力プロジェクトを実施してきました。
ダッカ市が保有するゴミ収集車は老朽化が激しく、あと数年で使用できなくなると予想されています。市は清掃税に加えて一般財源からの予算も増加させていますが、ごみ収集車更新のための多額の資金調達は目処がつかず、日本政府に対して無償資金協力の要請がありました。日本政府はこの要請を受け、CNG(Compressed Natural Gas:天然圧縮ガス)を燃料とするゴミ収集車を導入することで低炭素型社会への転換を図るものとして、環境プログラム無償資金協力により本プロジェクトを実施することを決定しました。
今回の支援では、CNGコンテナキャリア45台のほかにも、アームロールトラック20台、コンパクター車35台を調達するとともに、収集車の維持・管理施設の建設を実施します。そして環境教育、車輌・施設の維持管理、温室効果ガスの削減効果に関するモニタリングの専門家をそれぞれ派遣します。
このプロジェクトは、「環境プログラム無償」で実施される第1号案件であり、このプロジェクトの実施により、収集車1台の1日あたり二酸化炭素排出量が約45kgから約17kgに削減されるとともに、ダッカのゴミ収集率が58%から67%に改善される見込みです。その結果、不法投棄廃棄物から発生するメタンガスなどが減少し、温室効果ガス排出が削減され、気候変動の緩和と住環境の向上につながることが期待されています。

ダッカ市内の給油ステーションの看板。CNGも供給している |

CNG改造車に充填(じゅうてん)するダッカ市民 |
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