灼熱の砂漠に照り返す太陽は、中東のヨルダン・ハシェミット王国に厳しい自然環境をつくり出してきました。一日あたりの平均日照時間は4〜5時間の日本に比べ、ヨルダンは9.5時間をこえます。
日本政府は「クールアース・パートナーシップ」の取り組みとして、エネルギー資源に恵まれず、エネルギーの安定供給を課題としているヨルダンに対し、環境プログラム無償「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」の実施を決定し、JICSはこのプロジェクトの調査から調達に至るまで、援助資金の管理を含むプロジェクトの全体管理を行ってきました。
平成24年2月8日、本プロジェクトのパッケージ2として100kWpの太陽光発電システムが設置された死海パノラマ・コンプレックスにおいて引渡し式が開催されました。アル・ファイェズ観光省大臣、地域の有力者、参議院ODA調査団、在ヨルダン小菅大使及びプロジェクト関係者約100名が参加しました。
施主である観光省は同国主要産業の観光分野でエコ・ツーリズムを主導し、内外に広く環境保護の大切さをアピールしています。また、死海はヨルダンを代表する観光名所のひとつですが、気候変動及び環境破壊の影響を最も受けている場所のひとつでもあります。死海パノラマ・コンプレックスは、死海博物館を有し、過去40年間で25メートル以上もその水位を下げている死海の現状に警鐘を鳴らし続けています。
断崖から死海を見下ろす太陽光発電システムは「太陽の宝石」と表現され、引渡し式の参加者からは、日本の技術に対する称賛と太陽光発電のより大きな可能性に対する期待の声が上がりました。