20年におよぶ内戦によって、カンボジア国内に蔓延した小型武器は、現在も市民の生活を脅かしています。2003年4月21日にJICSはJSAC(日本小型武器対策支援チーム)を結成し、カンボジア国内務省とともに、日本政府の「カンボジアにおける平和構築と包括的小型武器対策プログラム」の実施に取り組んできました。
2008年2月25日、カンボジアのコンポントム州において本プログラムで建設、調達した施設や資機材の引き渡し式典が開催されました。
この式典では、JSACからコンポントム州知事に対して学校校舎2棟、井戸54基等が、また、コンポントム州警察本部長に対しては、交番3基、小型武器倉庫1基が引き渡されました。
今回の式典においては、州知事からJSACのスタッフに対する勲章の授与も行われました。この勲章は「モニ−・サラポアン」というもので、研究・文学・科学・芸術・福祉分野において貢献した人を賞するものです。今回は「モニー・サラポアン」のなかでも、国王により認証される「モハーセーナー(Grand Officer:最高爵士)」を竹内プログラムマネージャー含むスタッフ2名が、また、首相により認証される「タパダン(Commander:上級勲爵士)」を5名が、さらに同じく首相によって認証される「セーナー(Officer:第4爵士)」という勲章を2名が受勲しました。
今回の受勲はJSACのこれまでの取り組みがカンボジア政府に認められたもので、スタッフたちの大きな励みになりました。
これまでJSACの指揮をとってきた竹内プログラムマネージャーは、JSACの取り組みについて次のように振り返っています。「JSACはカンボジアにおいて武器が不要な社会を作ることを目指して活動してきました。そして、その効果はあったと感じています。小型武器の破壊式典には、副首相をはじめとする多くの人が参加し、新聞などのメディアでも大きく取り上げられました。平和の文化をカンボジア国に広めるインパクトを与えることができたと考えています。」
日本では平和は当たり前のように感じられるときもありますが、平和を維持するためには、社会全体での努力が必要です。JICSは、JSACを通じてカンボジアで行ってきた活動を、今後ほかの地域の平和構築支援でも活かしていきます。
※JSACの活動内容についてはホームページをご覧ください。