ニカラグアで実施されているコミュニティ開発支援無償「北部地域教育施設改修及び機材整備計画」では、初等中等教育環境の改善を目的として、北部5県(マタガルパ県、ヒノテガ県、エステリ県、マドリス県、ヌエバ・セゴビア県)で計26の小中等学校の建設を行っています。このうち、首都マナグアから車で2時間ほどのところに位置するマタガルパ県ケブラーダ・オンダ校が竣工したことを受け、2010年9月24日、同国教育省および施工会社、JICSなど関係者が立会い、引渡しをを行いました。
当日、プロジェクト関係者がケブラーダ・オンダ校に到着すると、就学前の子どもたちや生徒たちが出迎えてくれました。前日までかなり強い雨が降っていたため新校舎の周りは地面がぬかるんでいましたが、ぬかるみのひどい箇所には施工会社関係者が石を敷くなどの気遣いをしてくれたり、生徒が作成したニカラグア国旗や絵などが展示されていたりと、さまざまな点でプロジェクト関係者を歓迎する気持ちが伝わってきました。
本プロジェクトでは、ケブラーダ・オンダ校に対して教室棟2棟とトイレ棟1棟の合計3棟を建設しました。現場では、学校長、教育省関係者、施工会社、コンサルタント、JICSなどプロジェクト関係者による引渡し書類への署名を行いました。その後、関係者は就学前の子どもたちの案内により、地元コミュニティ主催の引渡し式の会場である既存校舎の前の広場に移動し、引渡し式に出席しました。
引渡し式は、生徒や保護者、地域の人々が大勢参加し、盛況な中すすめられました。ニカラグアの国歌斉唱、生徒代表の挨拶に続き、学校長より日本の援助に対する感謝の言葉が述べられました。また、今年最も優秀な成績を修めた生徒の表彰も行われ、学校長より生徒に向けて「表彰された生徒をお手本にして、新しい教室で一所懸命勉強してほしい」とのメッセージも述べられました。
JICS職員からは、学校が無事に竣工に至るまでの、地域の人々の惜しみない協力への感謝と、多くの人々と学校の竣工に立ち会うことができた喜びを表した祝辞を述べました。
式典では、就学前の子どもたちや生徒による民族舞踊に加えて、先生方からプロジェクト関係者に対する記念品の贈呈、子どもたちからの手作りのプレゼントの贈呈なども行われました。
最後に、参加した生徒や大勢の人が見守るなか、新校舎の鍵の引渡し、テープカット、新校舎に取り付けられた記念プレートの除幕式が行われると大きな歓声があがり、会場は喜びにわきました。
今回のケブラーダ・オンダ校は本プロジェクトのなかでは8校目の竣工となりました。残る18校の建設が円滑に進むよう、JICSは引き続きプロジェクトをサポートしていきます。