2010年2月18日
地雷除去のために稼動する除去機
人の手によって行われる地雷除去作業の様子
掘り起こされた地雷。まだ埋設されている無数の地雷の除去作業が急がれる |
カンボジアには紛争終結後20年近く経った現在でも400〜600万個の地雷が埋設されていると言われており、これらの処理はカンボジア地雷対策センター(Cambodian Mine Action Centre:CMAC)が中心となって行っています。日本政府はカンボジアにおける地雷除去に対する支援を積極的に行っており、なかでも2006年度と2007年度に実施した「地雷除去活動支援機材開発研究計画」では、日本メーカーの協力のもと、地雷除去機を開発・改良し、完成した地雷除去機をカンボジアに供与しました。
CMACは近年、年間約27平方キロメートルほどの地域の地雷除去を行ってきましたが、2020年までに地雷地帯をなくすという大目標のもと、年間除去面積を33平方キロメートル以上に拡大するべく取組みを強化しています。この目標を達成するためには、地雷除去機などの追加導入や除去活動にかかるさまざまな経費の確保が必要となりますが、そのための資金が不足していることから、日本に支援の要請があり、今回のプロジェクト実施が決定しました。
JICSはこの「カンボジア地雷除去活動強化計画」プロジェクトに関して2009年11月26日にCMACと調達代理契約を締結し、現地調査の実施や役務・機材の調達、プロジェクト全体の進捗監理を担当しています。
今回のプロジェクトでは、カンボジア国内でも高度地雷汚染地域であるバッタンバン州の対人地雷除去のために必要な地雷除去機などの調達に加え、地雷除去活動支援、さらには農地整備や農業訓練などの住民支援も行います。
地雷の除去のみでなく、安全になった土地の利用を促進することで、地域の経済的・社会的開発が進み、生活水準が改善されることが期待されています。 |