2010年7月15日
農業に関する基礎的な講義を受ける住民たち
グループ演習でのデモンストレーション・ファーム作り
農業訓練には女性が多く参加している |
カンボジアでは、紛争中に大量に埋設された地雷を除去するためにカンボジア地雷対策センター(Cambodian Mine Action Centre: CMAC)が中心となり活動を行っています。
日本政府はカンボジア政府の要請に基づき、CMACが行う地雷除去活動の支援および除去後の土地の開発、住民支援を目的として、2009年11月に紛争予防・平和構築無償「カンボジア地雷除去活動強化計画」の実施を決定しました。
JICSは、このプロジェクトに関してCMACとの調達代理契約を締結し、現地調査やプロジェクトに必要となるサービスや機材の調達、プロジェクト全体の進捗監理を担当しています。今回調達する機材として、これまで日本のODAを活用して研究・開発が進められてきた地雷除去機も含まれています。
今回のプロジェクトの特徴は、対人地雷除去のために必要な地雷除去機などの調達に加え、地雷除去が完了した土地の活用を目的とした農地整備や農業訓練などの住民支援を行う点です。
この農業訓練は、雨季が始まるのに合わせ2010年5月に開始されており、対象となる3つの村から約330名にのぼる住民が参加し、意欲的に取り組んでいます。
事前に行われたニーズ調査において住民から聞かれた、「害虫や水の管理などへの対策がわからない」「米の生産量を増やす方法がわからない」といった声に応えるため、今回の訓練では稲作と畑作のそれぞれについて各12回のトレーニングを実施する予定です。
参加者は、土作り、肥料などに関する基礎的な講義を受けるのと並行して、グループ演習としてデモンストレーション・ファームを作りながら新しい農法を学びます。また、訓練後には講師が直接それぞれの農地を巡回し、より具体的な指導をするフォローアップも行う予定です。
すでに新しい農法の実践が試されている農地もあり、今後の成果に期待が高まっています。
講師の指導のもと、熱心に農業訓練に取り組む参加者たち |
地雷除去後の農地整備、農業訓練に地域の期待が高まっている |
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