カンボジアには、20年におよぶ内戦によって埋められた地雷が今でも数多く残っており、それらを除去するため1992年に設立されたカンボジア地雷対策センター(CMAC)が積極的な活動を行っています。
これまで地雷除去活動は手作業で行われてきたため、作業員が危険にさらされる場面が多いうえに、膨大な時間と労力が必要となっていました。そのため、日本政府は地雷除去作業の機械化に向け、2006年に第一次研究支援無償として地雷除去機及び探知機の基本性能試験を現地で実施、第二次として2008年から地雷除去機3台を実際の地雷原に投入して運用試験を実施してきました。
JICSはこれらのプロジェクトの実施監理機関として、機器の輸送、現地での試験の実施監理、および資金管理を担当してきました。
2008年12月、第二次研究支援無償により運用試験を行ったすべての機種の地雷除去機がカンボジア政府の認証を受け、翌年1月、CMACに引き渡されました。
これらの地雷除去機は2009年8月現在、カンボジア国内の地雷が埋められている地域で活用されています。
地雷除去が完了した土地では、住民たちによって稲やトウモロコシ、落花生などが作られるようになりました。荒涼としていた地雷原が、地雷除去により農地に生まれ変わり、人々の生活を豊かにしてゆきます。