2005年10月8日に発生した大規模な地震災害に対する復興支援の一環として行われていた、バタグラム県の4つの診療所(パイマル・シャリフ診療所、シュムライ診療所、ラシャン診療所およびパシュトゥ診療所)が2009年5月に完成し、パキスタン側へ引き渡されました。
本プロジェクトは、北西辺境州政府並びに震災復興庁の要請に基づき、地域医療の改善を目指して診療所建設を行うもので、いずれの施設も耐震設計に基づき建設され、それぞれの施設の運営に必要な医療機器や家具等も調達、納入されました。
これら4つの診療所はすべて都市部から離れた山間部奥地に位置しており、医師や保健技師などが着任するには住居問題が課題とされていたため、本プロジェクトでは、診療所建設とあわせ同敷地内に住居棟も建設しました。
地域の住民からは、「これらの診療所が完成したおかげで、簡単な診察や予防接種を受けるために今後は遠路はるばる都市部の病院まで行かずにすむようになった」など、喜びと期待の声が聞かれています。
JICSは、これらの山間部にある診療所と市街地にある病院施設との連携に基づく包括的医療体制の構築を目指して、バタグラム県で県中央病院を含め20か所の保健施設の建設をすすめています。