国土交通省で開催された第2回アフリカ・インフラ協議会で「事業・運営権対応型無償資金協力」への取り組みについて紹介しました

2016年11月2日

(写真)
第2回アフリカ・インフラ協議会の様子

 2016年11月2日、JICSは国土交通省で開催された「第2回アフリカ・インフラ協議会」で紹介を行いました。

 日本のODA(政府開発援助)では、開発途上国の公共事業における日本企業の事業権・運営権の獲得を促進し、我が国の優れた技術・ノウハウを途上国の開発に役立てることを目的として、「事業・運営権対応型無償資金協力」という官民連携型の取り組みを行っています。これは、途上国において日本の民間企業が施設建設などから運営・維持管理までを包括的に実施する公共事業を無償資金協力※1を通じて支援するものです。

 現在JICSは、この取り組みの一つである「ミャンマー無収水削減計画」でミャンマー ヤンゴン市開発委員会と調達代理契約※2を交わし、同委員会の代理(=調達代理機関)として資金管理を含むプロジェクトマネジメントを行っています。このプロジェクトでは、日本の事業者による漏水調査、設計、水道管の取替及び修繕をヤンゴン市で実施し、別途この事業者がヤンゴン市と契約して、その後の水道管の維持管理業務を含む無収水削減業務を実施することになっています。

 今回は、日本の企業の方々がアフリカでのインフラ展開を進めるにあたり、活用できる可能性のあるODAのひとつとして「事業・運営権対応型無償資金協力」の概要をご紹介し、日本のODAと調達代理機関の役割を同会員企業の方々に説明しました。

 JICSは、ODAの調達代理機関として、世界各地で道路、橋梁、給水システムなどのインフラ関連プロジェクトや、途上国の開発と共に日本企業の海外進出を支援するプロジェクトに多数携わってきました。今後もこうした経験・知見を活かし、新たな取り組みに積極的にチャレンジしていきます。

※1 無償資金協力:開発途上地域の開発を主な目的として、日本政府より同地域の政府などに対して、返済の義務を課さずに資機材やサービスなどを調達するために必要な資金を供与する援助の形態です。

※2 調達代理契約:無償資金協力で、相手国政府の代理人(=調達代理機関)が資金管理を含む調達手続きおよびプロジェクトマネジメントを行うために、両者間で締結する契約です。この契約により、調達代理機関は入札手続き、売買・請負契約、進捗管理、支払いなどの調達手続きと資金管理及びプロジェクトマネジメントを相手国政府の代理人として実施します。