津波被害を防ぐために 「稲むらの火」パンフレットの配布

2010年4月20日

 津波防災啓発パンフレット「稲むらの火」は、1854年に日本の和歌山県沿岸の村で大津波が起きた際の実話をもとにした物語です。地震の揺れの後、異変を感じた村長の五兵衛は、村人に津波の危険を知らせるため、自分の収穫した稲の束(稲むら)に自ら火をつけ祭りの準備に追われる村人たちの注意を引きます。五兵衛の火事にかけつけてきた村人たちを高台へと避難させることで、多くの命を救うことができたという話です。津波から人命を守るための五兵衛の判断と行動をつづった、この「稲むらの火」は、津波に対する知識、心得を広めるため、現在も語り継がれています。

 2004年12月26日に発生したスマトラ沖大地震およびインド洋津波によって甚大な被害が発生したことを契機に、津波の防災意識を高めることを目的として、マレーシア医療救済協会(MERCY Malaysia)アジア災害還元応答ネットワーク(ADRRN)アジア防災センター(ADRC)が「稲むらの火」パンフレットを被災国の言語を中心に複数国の言語で制作しました。

 JICSは、スマトラ沖大地震およびインド洋津波被害への支援に携わった経験から、このパンフレットを活用した津波防災啓発を社会活動のひとつと位置づけ、防災・災害復興支援無償で関わった相手国政府関係者などに配布する活動を行っています。

 他言語版(英語、スペイン語、インドネシア語、シンハラ語、ベンガル語)のパンフレットはこちらのページからご覧になれます。