マーシャル諸島共和国海上保安訓練・司令センター建設計画
起工式への出席

2023年5月11日

2023年4月6日、令和元年度無償資金協力「経済社会開発計画」による海上保安訓練・司令センター建設計画の起工式が執り行われました。

同国は、美しい海に囲まれていますが、同時に広大な海域の安全確保が課題となっています。本案件は、海域の安全確保を担う海上警察本部の建物が老朽化していることを踏まえ、同建物を新庁舎へ建て替え、本部機能を強化することを目的としています。

式典には、田中一成駐マーシャル諸島共和国日本国大使及びデイビッド・カブア大統領を始め、クリストファー・ロヤック大統領補佐・環境大臣、ジャック・アディング法務・入国管理・労働大臣、ジーベ・カブア公共公益事業・インフラ大臣他閣僚や外交団が出席され、両国政府代表による挨拶の後に、両国関係者がプロジェクトの工事看板を背に、鍬入れ(土盛り)を行いました。

田中大使のご挨拶では、本案件は、2021年7月に開催された第9回太平洋・島サミット(PALM9)の優先分野の一つである「法の支配に基づく持続可能な海洋」の実現に貢献することに加え、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の取組みの柱である「平和と安定の確保(海洋安全保障)」とも整合的であることが強調されました。

また、ジャック・アディング法務・移民・労働大臣は、海上保安能力の向上への期待と日本政府及び日本国民の支援に対する感謝の意を述べられました。

JICSからは、高木職員と石崎職員が本式典に出席しました。JICSは、2019年から調査を行っていましたが、その後新型コロナ感染症拡大による渡航制限や石油・原材料価格の高騰などの影響を受けました。

このたび関係者の皆さまのご支援、ご協力を得て、無事起工式に至りましたので、18か月後の完工に向けて、円滑かつ確実なプロジェクト監理を行ってまいります。

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プロジェクト工事看板
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左から2番目JICS高木徹職員、3番目デービッド・カブア大統領、5番目田中一成大使、6番目ジャック・アディン法務大臣

プロジェクト基礎情報

案件名 海上保安訓練・司令センター建設計画(令和元年度)
交換公文署名日 2020年3月19日
供与(E/N)額 4.5億円
調達代理契約 2020年3月19日
プロジェクト概要 マーシャル諸島共和国は、29の環礁と5つの島からなる国であり、広大な海域における安定・安全の確保が観光業及び漁業の発展に直結します。しかし、同国の海上の取締能力等は極めて脆弱であり、同国の海域の適切な管理及び捜索救助等の海洋安全確保が十分でなく、海上保安能力強化が喫緊の課題となっています。同国唯一の海上保安機関であるマーシャル海上警察が利用している海上保安訓練・司令センターは、築約40年の施設で老朽化が進むとともに、施設スペース不足が顕著であり、今後の活動を維持・発展させていくためには、施設の更新・拡張が必要な状況にあります。
この協力では、マーシャル政府に対し、海上保安訓練・司令センターの建設及びトレーニング関連機材(モニター、防犯カメラ等)を供与します。
JICSの役割 マーシャル政府の調達代理機関として、海上保安訓練・司令センター建設とトレーニング関連機材(モニター、防犯カメラ等)調達に係るプロジェクト監理および資金管理を担当。