経済社会開発計画:
地方都市において新型コロナウイルス等の感染症拡大を防ぐ
医療体制づくりに貢献
2024年4月1日
業務第一部 地域第三課
牧 秀崇(まき ほたか)
必要とされる機材を迅速に、最適な形で調達
JICSは機材の特性や現地ニーズを踏まえて、保健省と一丸になって取り組みました。可搬型の超音波スキャナーは、空輸により迅速な納入を実現する一方、救急車は山間部での走行に適したSUVタイプ車両とし、搬送中の救命体制を踏まえ、綿密な調整を経て車内搭載医療機材を選定しました。またX線撮影装置は、輸送中に納入先の変更が要請されましたが、速やかに関係者間の調整を行ってこれに対応し、最も必要とされる病院への納入を実現しました。
ブータンに納入された救急車(保健省提供)
地方の脆弱な医療体制の強化に貢献
ブータンは地方の医療体制が脆弱であり、2日間かけて首都の病院へ患者を搬送する例があるほどです。そのため、本案件で調達した機材のほぼ全てが地方の病院へ配備されました。引渡式では、同国政府から、地方医療体制の強化につながることに対する謝意が日本政府へ示されました。JICSは今後も現場のニーズに的確に応え、かつ迅速に納入することで援助効果を最大限に高め、同国の発展に貢献していきます。
案件概要
新型コロナウイルス感染症対策医療機材の迅速な引き渡し
ブータンの地方都市においては、脆弱な医療提供体制ゆえに診療事情の悪化が深刻な課題となっていました。特に、感染症対策用医療機材の不足は切実であり、日本政府はブータン政府からの要請を受け、小型救急車及び移動式X線撮影装置等を調達し、早期引き渡し実現に寄与しました。
調達代理契約締結先 | ブータン王国国民総幸福量委員会 |
---|---|
エンドユーザー | ブータン王国保健省 |
供与額 | 3億円 |
政府間決定日 | 2020年6月23日 |